1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640308
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤本 正行 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (00111708)
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Keywords | 銀河系 / 種族III / 金属欠乏星 |
Research Abstract |
近年、超金属欠乏星は、銀河系の歴史を探る手段として注目集めている。しかし、そのためには、これらの低質量の超金属欠乏星の進化を理解することが必要である。本研究では、これまでのZ=0の計算を拡張して、低、中質量、金属欠乏星の進化の全体像を、初期の質量、金属量の関数として明らかにした。この結果、初期質量、1.1M_<【of sun】>以下、Fe/H<-4の恒星は、赤色巨星の終わりに、〜3Mo以下、Fe/H<-2.5の恒星は、漸近巨星分枝に到達した段階で、窒素過多の炭素星になる。これらの、結果は、われわれの種族IIIの探査計画と、現存の金属欠乏星の探索との関係を明確にする上で、必要なデータを与えるものである。これらの結果については、1998年8月オーストラリア国立天文台主催の国際研究集会で発表し、また、1999年天文学会春季年会で報告するとともに、現在、論文を執筆中である。 観測に関しては、1999年の1月と2月に東大の木曽観測所のシュミット望遠鏡で、天文台の研究員官谷幸利氏の協力を得て、観測した。2kCCDを用い、2°対物プリズムを装着して、54′×54′の数領域についてのデータが得られた。この結果、18等の恒星まで、有為に、HK腺および、Hδが識別できることがわかった。これは、現存のBeers達による捜索(限界等級は公称15.5等)を大きく凌駕するできる可能性を追求するという本研究の目的を一歩前進させた。この後、木曾での観測を続け、捜索領域をひろげるとともに、観測の結果の効率的な解析方法の開発に取り組む基礎ができた。
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Research Products
(1 results)