1998 Fiscal Year Annual Research Report
木曽シュミット望遠鏡によるクェーサー広域ディープサーベイ
Project/Area Number |
09640309
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林野 友紀 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (10167596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高遠 徳尚 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (50261152)
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Keywords | クェーサー / ラインマンアルファ銀河 / 高赤方偏移 / 広域サーベイ / 中狭帯域フィルター / 低分散分光 / 木曽シュミット望遠鏡 / 原始銀河 |
Research Abstract |
今年度は、本課題にて購入した長波長用中帯域(MB)フィルター及び、前年度本課題で購入した狭帯域(NB)フィルターを用いて、主にz〉4のクェーサー、Lyα銀河サーベイを行なった。 最近(1998年以降)、z〉4に強いLyα輝線を持つ若い銀河が極めて多いという観測結果が、KECK望遠鏡等による狭視野(約30平方分)深等級(約25等)サーベイから報告され、原始銀河探索の期待も含めて、hjgh z強輝線天体の発見が重要となっている。 そこで本課題では、当初予定したz(2〜3)より高い赤方偏移(z〜4)に、明るい(約22等まで)クェーサー、Lyα銀河=強輝線天体がどれくらい存在するかを探るのを当面の目標として、今年度のサーベイを行なった。一般に明るい天体ほど数は減少し、22等程度でz〜4の遠方にある銀河は大変少いと考えられるが、木曾シュミット・2K-ccdカメラの広視野(2500平方分)性能を生かして、KECK望遠鏡サーベイと対照的に、広視野・明等級のサーベイを行なったものである。ここで、明るいhigh zLyα銀河が見つかれば、吸収線解析によりその銀河が含む重元素量が測定でき、原始銀河判定の直接的テストを行なえるなど、メリットは大きい。口径は小さくとも視野の大きさを生かして独自のサーベイを試みたものである。 1998年度は、木曾シュミット観測割り当てが、全27日とかなりの時間を戴いたが、秋まで天候が非常に悪く、良好なデータを取得できたのは12月末の5日のみであった。現在このデータを解析中で、結果の一部を1999年3月末の天文学会で発表予定である。なお、良好でない天候条件の下で1998年9月までに取得したデータの解析結果は同年10月の天文学会等で報告を行なった。
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