1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640318
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花輪 知幸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50172953)
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Keywords | 星形成 / 自己重力 / 自己組織化 / 数値シミュレーション / 回転 |
Research Abstract |
分子ガスの塊である分子雲コアが自己重力によって収縮することによって星は形成される。数値シミュレーションによって分子雲コアの重力収縮の物理を調べるのが本課題の主題である。今年度の主な成果は以下の2つである。 1. 重力収縮中の分子雲コアの変形 昨年度の数値シミュレーションによって、重力収縮する丸い分子雲コアに非球対称なゆらぎを与えると、コアは棒や円盤に変形しやすいことが分かった。このシミュレーション結果を理解するために、重力収縮する分子雲コアの安定性を半解析的に調べた。解析では縮む座標系(相似座標系)を用い、重力収縮しているガス球の収縮と変形が分離しやすい形式を用いた。この理論形式により、変形が中心密度の0.354乗でゆっくりと成長するという結果を得た。棒状のガス雲は分裂しやすく、連星系の形成につながると期待できるので、この知見は重要な価値がある。 2. 温度が変化する分子雲コアの重力収縮 回転するガス雲の重力収縮は、暴走的収縮期とそれに続くガス降着期に分けられる。暴走的収縮期にガスの温度が変化すると、暴走的収縮期からガス降着期への移行の仕方が変わることが明らかになった。温度が減少する場合は、中心でのガス圧が急激に下がり、暴走的収縮期の最後でガス円盤が非常に薄くなり、中心からガス降着期がはじまる。これに対して温度が上昇する場合は、中心でのガス圧が段々高くなり、中心から少し離れたところからガス降着が始まる。またできるガス円盤は幾何学的に厚い。現実的には等温に近いが、わずかな温度変化で形成される原始星円盤の形状が大きく変化することが明らかになった。
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[Publications] Y.Nakajima: "Clustering of PreMain-Sequence Stars in the Orion,Ophiuchus,Chamaeleon,Vela,and Lupus Star-forming Regions" Astrophys.J.497・2. 721-735 (1998)
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[Publications] T.Kawachi: "Gravitational Collapse of Filamentary Clouds" Publ.Astron.Soc.Japan. 50・6. 577-586 (1998)
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[Publications] F.Nakamura: "Gravitational Collapse of Isothermal Magnetized Clouds: The Universality of Self-similar Collapse." Astrophys.J.510・1. 274-290 (1999)
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[Publications] N.Nobuta: "Jets from Time-Dependent Accretion Flows onto a Black Hole" Astrophys.J.510・2. 614-630 (1999)
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[Publications] S.M.Miyama: "Numerical Astrophysics" Kluwer, 457 (1999)