1999 Fiscal Year Annual Research Report
活動銀河核メーザー円盤中の大域振動とメーザー源の運動学
Project/Area Number |
09640324
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
岡崎 敦男 北海学園大学, 工学部, 助教授 (00185414)
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Keywords | 活動銀河核 / メガメーザー / 振動モード / ガス円盤 |
Research Abstract |
これまでに約20個の2型活動銀河核から強力な水メーザー放射が検出されている。これら水メガメーザー放射の源は、銀河中心から0.1-1pcのところにあり、分子トーラスの内縁近傍に位置しているのではないかと考えられている。メーザー源の構造と運動を調べることは、分子トーラス内縁部の構造・運動を理解するためだけでなく、中心にある超大質量ブラックホールの質量、銀河までの距離、およびハッブル定数を求めるためにも必要である。 本研究では、分子トーラス中の大域振動のモード・位相がメーザー源の運動に及ぼす影響を解析した。その結果、eccentricモード(赤道面に対し密度の摂動が対称になるモード)が卓越した円盤では、観測されるメーザー源の位置・速度図やvelocity driftへの摂動の影響の現われ方は摂動の位相に複雑に依存することがわかった。例えば、メーザー源の位置・速度図がケプラー的となる位相では、systemic componentの速度はsystemic velocityと一致するが、その加速度はケプラー回転の場合からずれたものになる。逆に、systemic componentの加速度がケプラー回転のものと一致するような位相では、位置・速度図がケプラー的でなくなり、systemic componentの速度自体もsystemic velocityからずれたものになる。このことは、eccentric modeの影響を受けた円盤中のメーザー源の運動の解析にはモデル計算との比較作業が不可欠であることを示している。一方、warpingモード(赤道面に対して密度の摂動が反対称になるモード)が卓越したメーザー円盤では、速度の摂動成分はほぼ赤道面と垂直な方向になるので、観測される位置-速度図とsystemic componentのvelocity driftはともにケプラー円盤の仮定が適用できる。
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Research Products
(1 results)