1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640327
|
Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
坂尾 太郎 国立天文台, 野辺山太陽電波観測所, 助手 (00225781)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 正則 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70135383)
|
Keywords | 太陽フレア / 粒子加速 / 半導体検出器 |
Research Abstract |
前年度、CdZnTe結晶および検出器系(プリアンプと高圧電源)の基本的な動作特性の把握を行なったのに続き、今年度は、宇宙研の科学観測気球への搭載に向けて、以下の開発・検討を進めた。1.搭載用素子の試作と評価:気球搭載機器の開発に実績のある、(株)クリアパルス社と協力して、スペクトル計に用いるCdTe素子の試作(5mm・10mm・15mm四角)を行なった。これらの素子を太陽硬X線スペクトル計として用いる場合、検出器の面積をかせぐため素子をモザイク状に配賃すると同時に、素子を複数個スタックしてエネルギーの高い硬X線の検出効率を高めることが必要となる。そのため、個々の素子のホルダー(セラミック製)は、モザイク化・スタック化が容易に行なえるデザインとした。これらの素子の特性の評価、および強度などに関するホルダーデザインの検証、を本年度は重点的に進め、気球搭載に向けての目処が立ちつつある。また、モザイク化・スタック化した素子からの信号出力を処理するプリアンプの開発も進めている。2.気球システムの検討:宇宙科学研究所の気球工学研究室の協力を得て、気球の到達高度、気球搭載時の姿勢検出・制御、テレメトリ・コマンド系、観測時の運用方式、など、気球システム全般にわたる検討を行なった。その結果、(姿勢検出器など)既開発の気球搭載品を効率よく利用できる見通しが得られ、システム面からみた気球搭載の成立性を確認することができた。3.開発スケジュールの確立:宇宙科学研究所およびクリアパルス社と協同して、来年度からの気球搭載用スペクトル計の開発スケジュールおよび三者の担当の分担を確立した。本科研費で実施した、素子の特性評価等の結果をふまえて、来年度は本格的なスペクトル計の開発と調整を行ない、2000年5月に太陽硬X線スペクトルの観測を行なう予定である。
|
Research Products
(1 results)