1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640328
|
Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
千葉 柾司 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助教授 (50217246)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 敏貴 国立天文台, 理論天文学研究系, 助教授 (20169444)
郷田 直輝 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202073)
祖父江 義明 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10022667)
吉井 譲 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00158388)
土佐 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50022728)
|
Keywords | 銀河天文学 / ヒッパルコス / 銀河構造 / 銀河進化 / 宇宙論 |
Research Abstract |
ESAによって1989年に打ち上げられた世界初の位置天文衛星ヒッパルコスは、全天約12万個星の精密な位置天文観測を行ない、1993年にその使命を終了した。個々の恒星の位置、視差、固有運動の観測精度は、ほぼ1 millarcsecにまで達しており、これまでになく高精度な恒星の位置天文情報が全天均一精度で決定された。そして、これらの観測データを集積したいわゆるヒッパルコス星表は、位置天文学、恒星進化、銀河構造と進化、さらに宇宙論といった広範な分野に重要な結果をもたらしている。 本研究では、このような世界の動きに遅れを取ることなく、幾つかの重要な成果が得られた。特に、銀河系円盤の系統的な運動、球状星団までの距離に基づく星団の年齢評価、また、低金属量星の運動解析に基づく銀河系形成の研究といった分野に、大きく貢献することができた。また、前年度に引き続いて研究会を開催し、これまでの研究結果とその問題点に関して多く議論する機会が得られた。 また、本年度は、前年度から継続中の研究を終了させると共に、これまでの成果によって明らかとなった様々な問題点を解決するための検討を行なった。特に、ヒッパルコスの与えるデータを実際の多くの天文学的課題に適用するためには、良質の測光ならびに分光データをも全天に渡って完備させることが強く指摘された。この要請に答えるべく、他国の研究者と連携を取りながら恒星データベースの作成に着手し、現在ほぼ終了段階となっている。また、本研究の成果によって、宇宙論ならびに銀河系形成に関する新しい知見が得られたことから、これらの理論的側面に関して次に解決するべき問題を明らかにすることができた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 千葉、二間瀬: "Statistics of QSO lensing and cosinological parameters" Progress of Theoretical Physics Supplement. (印刷中). (1999)
-
[Publications] 千葉、吉井: "New limits on a cosmological constant from statistics of gravitational lensing" The Astrophysical Journal. 510. 42-53 (1999)
-
[Publications] 宮本、朱: "Galactic interior motions derived from Hipparcos proper motions. I.Young disk population" The Astronomical Journal. 115. 1483-1491 (1998)
-
[Publications] 祖父江 他: "Nuclear-to-disk rotation curues of galaxies in the Hd and [NII]emission" Publication of the Astronomical Society of Japan. 50. 427-463 (1998)
-
[Publications] 吉井 他: "Age dating of a high-redshift QSO B1422+231 at Z=3.62 and its cosinological implications" The Astrophysical Journal Letters. 507. 113-116 (1998)
-
[Publications] 矢野、郷田: "Evolution of the power spectrum and self-similarity in the expanding one-dimensional universe" The Astrophysical Journal Supplement. 118. 267-274 (1998)