1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
綿村 哲 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00201252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 洋 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20291247)
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Keywords | 非可換幾何学 / 量子空間 / 場の理論 / マトリクス理論 / 非可換球面 |
Research Abstract |
この研究の目標は、非可換空間上での場の理論を構成することにある。平成9年度には、非可換空間の例として、非可換球面を取り上げその上での場の理論の構成の研究を行った。非可換球面は、球面の関数代数を量子化することによって得られる空間であり、超弦理論の非摂動論的構成法として提唱されたマトリクス理論によって記述される非可換空間のカテゴリーに入る。このような空間上で場の理論を展開するには、まずこの空間上の微分幾何学を構成する必要がある。このためには、非可換球面の代数、対応したヒルベルト空間、ヒルベルト空間上のディラック作用素を定義する必要がある。これら3要素は、いわゆるConnesのtripleと呼ばれているものである。非可換球面の代数そのものは、定義から明らかであるが、残りの2つは、様々な自由度があり具体的に構成し、その性質を調べてみる必要がある。この問題に対する、ひとつの答を我々の最近の論文で与えた。この結果、非可換球面上でのディラック作用素を使いConnesの意味での非可換微分幾何学が構成できる様になってきた。また、この結果を応用することにより、非可換球面上の場の理論が構成できる。実際に、スカラー場の作用、またU(1)ゲージ場の作用を書き下すことができる。現在は、この様にして構成された場の理論の性質を解析中である。特に、最近の超弦理論から明らかになってきたマトリクス理論との関係から、望ましい理論となっているかが現在の論点である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] U.Carow-Watamura: "Dirac and Chirality operator on Noncommutative Sphere" Communications in Mathematical Physics. 183・2. 365-382 (1997)
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[Publications] U.Carow-Watamura: "Differential Calculus on Fuzzy Sphere and Scalar Field" International Journal of Modern Physics A.