1997 Fiscal Year Annual Research Report
銀河団による新しい動力レンズ現象とそれを用いた宇宙定数の測定
Project/Area Number |
09640332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
二間瀬 敏史 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20209141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90281964)
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Keywords | 銀河団 / アーク統計 / 宇宙定数 / 非一様時空 / 平均化 |
Research Abstract |
銀河団による動力レンズ現象giant luminous arcがあげられるが、観測した銀河団の数に対して実際に発見されるgiant luminous arcの数は、理論的に期待される数を大幅に上回っていることが知られている。このアーク統計の問題を、最近の銀河のluminosity関数の観測に基づいて再検討した。その結果、宇宙定数がなく平坦な宇宙でも観測をすべて説明するほど多くはないがかなりの数のアークが期待されることを見いだした。従って宇宙定数が存在すればより一層のアークが期待され、アーク統計の観測から宇宙定数の制限をがえられることが期待される。 さらに銀河団の質量分布や赤方偏移などのパラメータを決めると、ある特定の赤方偏移に有る銀河その銀河団によって明るさは大きく増幅されるが、像のゆがみは小さい重力レンズが実現される可能性を発見した。銀河団の質量分布の情報はX線の観測によってかなり詳しく観測されるので、重力レンズ系としてはパラメータの制限がつけやすい。重力レンズ像が発見され、その赤方偏移が測定されると、残るパラメータは宇宙論的なパラメータだけとなり、特にそのなかでも宇宙定数の依存性が大きい。すでにcB58と呼ばれる天体がこのような重力レンズ像である可能性が大きいことを指摘し、この系に対して予備的ではあるが宇宙定数への制限を研究した。 局所的に非一様な時空を構成する方法としてアインシュタイン方程式の平均化する違った方法が提案された。一方は密度揺らぎが非線形で宇宙の小さな領域、他方は揺らぎが余り大きくないが任意の大きさの揺らぎを扱うことができる。どちらの方法を用いても非一様性が宇宙に与える影響は小さいことを示した。また、従来、現実的な非一様な宇宙では重力レンズによって天体はある平均的な増光を受けると考えられていたが、上述の非一様宇宙モデルに基づいた解析により平均的には増光を受けないことを示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Futamase: "Black holes and two-dimeusional dilaton gravity" Physical Review D. 57. 1129-1135 (1998)
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[Publications] H.Asada, T.Futamase: "Post-NewTombu Approximation" Progress of Theoretical Physics,Suprlement. 128. 123-181 (1997)
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[Publications] T.Hammona, T.Futamase: "Comments on the amplifiation bixs in lens statistics" Monthly Nootices of Royal astnououical Socies. 287. 341-349 (1997)
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[Publications] T.Hamana, M.Hattori, T.Futamase: "Leusing Effects on the Protogalaxy Candidate cB58" Astcophysical Journal. 487. 574-580 (1997)
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[Publications] T.Hamona, T.Futamase: "Sticstics of giant luminous ares based on Canods-France rodshift survey" Monthly Notices of Royal astcovomical Society. 286. 7-10 (1997)
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[Publications] S.Wajima, M.Kasai, T.Futamase: "Post-Newtonian effects of graviy on guautum interferowety" Physical Review D. 55. 1964-1970 (1997)
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[Publications] 二間瀬敏史: "納得する相対論" 講談社サイエンティクック, 222 (1997)