1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 信 京都大学, 化学研究所, 教授 (90028176)
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Keywords | RFQ / エミッタンス / 線形加速器 / アルバレ |
Research Abstract |
化学研究所附属原子核科学研究施設で設計建設を行った7MeVの陽子線形加速器のビームの特性を測定したデータに基づいて加速器の構造に関する検討を行った。この加速器は50KeVのビームがイオン源から引き出され、低エネルギーのビーム輸送系を経て、高周波四重極(RFQ)型線形加速器で2MeVまで加速されマッチングセクションを通ってアルバレ型線形加速器で7MeVまで加速する構造になっている。この加速器のビーム強度は設計上ピークで最大50mA程度である。現在実際にはイオン源が小型であるためにイオン源から10mA程度しか引き出せない。またこのビームを分析・輸送する途中で集束系が十分でないために強度が落ちる。これらの点は大型化に当たって改良の余地はあるが、2種類の加速管構造の異なるものを接続することによるミスマッチ現象は大型化によっても解決できない問題である。そこでこの加速管の構造がビームに与える影響を調べることが重要になる。 現在までにRFQ型加速器からのビームのエネルギー分布の測定を詳しく調べている。これは我々のグループが数年前に指摘した低いエネルギーの成分がRFQへの高周波電力の強さによって変化する現象とミスマッチの関係を評価することである。またアルバレ型加速管から出てきたビームの縦方向エミッタンスの測定法を我々の研究室で独自に開発してきたがそれによりアルバレ型加速管に入力する高周波電力とエミッタンスの関係を評価している。これらは次年度以降に検討する全体としてのマッチングにとって必要なデータである。
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