2000 Fiscal Year Annual Research Report
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09640349
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
二宮 正夫 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40198536)
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Keywords | 量子重力 / くりこみ群 / 弦理論 / 弦の場の理論 / 場の理論 / ブラックホールの量子論 / ランダム面 / 2次元重力 |
Research Abstract |
素粒子の4つの基本的相互作用である、強・弱・電磁及び重力の相互作用およびあらゆる素粒子を統一的に記述する統一理論の候補として、超弦理論は摂動論をこえて非摂動的に構成する研究が進展してきた。これまで5種類のモデルがあると考えられたがそれらは一つにまとめることが出来た。また背後には単一のM理論が存在するらしいことが明らかとなってきた。さらにD膜というソリトン的励起が弦のダイナミクスに重要な役割を果たす事が分かった。弦の非摂動的定式化として、これまで第1量子化の理論をもとに行われていたが、二宮はHolger B.Nielsen(デンマーク、ニールスボーア研究所教授)と共に第2量子化を遂行し、弦の場の理論を構成する研究を行ってきた。この理論の特徴は弦の座標のright movingモードとleft movingモードを基本要素に用い、波動関数を構成することにある。我々はこのモデルが弦を構成するために各基本要素に要請される対称性として、ボース統計に対応する新しい対称性が必要であることを見出した。この対称性を用いて、具体的にleftとright movingモードから状態を構成した。これから更に散乱振巾を計算し、それが双対性を満足するかどうかをチェックする研究が現在進んでいる。 一方この弦の場の理論を発展させる上で、通常用いられる光錐座標を用いない理論を検討した。そこで我々はボソン場の理論における負エネルギーモードを取り扱う新しい方法を見出した。この場の量子論の新しい方法によってボソンはフェルミオンの第2量子化と同等の方法、つまり負エネルギー粒子の海、いわゆるDirac seaの方法によって行うことが出来ることを示した。これにより、場の理論に関し、新しい知見を得ることが出来た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.B.Nielsen,二宮正夫: "Dirac sea for bosons"HEP-TH9808108. 1-39 (1998)
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[Publications] 北沢良久,二宮正夫: "Scaling behavior of Ricci curvature at short distance near two-dimensions"Physical Review. D55. 2076-2081 (1997)
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[Publications] 川合光,北沢良久,二宮正夫: "Short distance space-time structure in 2+ε dimensional quantum gravity"Quantum Physics, Chaos Theory and Cosmology. 71-91 (1996)
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[Publications] 二宮正夫: "くりこみ群を応用して場の理論の難題を解決したホーフト博士とフェルトマン博士"現代化学. 2000年2月号. 16-20 (2000)
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[Publications] 五神真,二宮正夫,前田恵一(編): "アインシュタインとボーア-相対論・量子論のフロンティア-"裳華房. 322 (1999)
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[Publications] 二宮正夫: "宇宙の誕生"岩波書店. 279 (1996)