1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
南方 久和 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00112475)
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Keywords | 三世代ニュートリノ / フレーバー混合 / ニュートリノ質量 / シ-ソ-機構 / CP非保存 / 長基線ニュートリノ実験 / バリオン数非対称性 |
Research Abstract |
シ-ソ-機構による3世代ニュートリノ・フレーバー混合の構造を行うことが平成9年度の主な課題であったが、今年度はこの中でも特にレプトン・セクターのCP非保存の問題に重点を置いて研究を行った。長基線ニュートリノ振動実験によってこれを観測できる可能性の検討、とりわけ小林・益川位相による真の物理的効果と地中の物質効果による偽のCP非保存との構造的差異、この分離方法について詳しい分析を行った。このなかで数%の精度でCP非保存効果を測定するための方法として2つの検出器のイベント数の差をとる新しいアイデアを提案した。また、物質効果による汚染効果が無視できるチャネル、マイナ-・チャネル(振動確率自身は小さい実験的には難しいチャネル)がどのパラメターの領域にも常に存在することを、暗黒物質程度のニュートリノ質量差の場合について断熱近似と物質効果摂動論に基づく系統的な取り扱いによって明らかにした。これらの結果はすでに論文として発表されているか、または近日中に掲載予定である。 レプトン・セクターのCP非保存の問題と密接に関連した問題として、宇宙におけるレプトン数生成を通じたバリオン数生成機構の問題がある。シ-ソ-機構のもとになっている重い右巻ニュートリノの崩壊が自然にレプトン数生成機構として働くためである。しかしこの機構が働くためにはレプトン・セクターにCP非保存が存在することが重要で、この構造の分析および実験的な検証法の研究を行なった。また、3世代ニュートリノ・フレーバー混合行列の構造がこのレプトン数生成機構にどのような制約を与えるかについて検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Minakata and H.Nunokawa: "How to Measure CP-Violation in Neutrino Oscillation Experiments?" Physics Letters B. 413. 369-377 (1997)
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[Publications] H.Minakata and H.Nunokawa: "CP Violation versus the Matter Effect in Long-Baseline Neutrino Oscillation Experiments" Physical Review D,in press.
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[Publications] H.Minakata and Y.Shimada: "Can Long-Baseline Neutrino Oscillation Experiments Tell Us about Neutrino Dark Matter?" Astroparticle Physics. 8. 193-200 (1998)
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[Publications] H.Minakata and O.Yasuda: "Constraining Almost Degenerate Three Flavor Neutrinos" Physical Review D. 56. 1692-1697 (1997)
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[Publications] H.Hiro-Oka and H.Minakata: "Two Pion Correlations as a Possible Experimental Probe for Disoriented Chiral Condensates" Physics Letters B,to be published.
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[Publications] A.Chodos and H.Minakata: "The Thermodynamic Bethe Ansatz and the 1/N Correction to the Density Phase Transition in the Gross-Neveu Model" Nuclear Physics B[FS]. 490. 687-698 (1997)