1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
幅 淳二 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60180923)
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Keywords | シリコン検出器 / 広ピッチ / 大口径 |
Research Abstract |
大口径のシリコン検出器を考えるとき、考慮すべきなのは当然のことながら読み出しのチャンネル数が厖大なものとならないことが必要である。実際のアプリケーションを考えるとき、大口径の検出器に求められるのは、究極の測定精度を持つ小口径の検出器とあまり高い精度の得られない大型検出器(例えばドリフトチェンバー)の間をつなぐような中庸の測定精度であろう。従ってその構造は、ストリップ型のシリコン検出器であって、その測定ピッチが比較的大きなものが最も好適と考えられる。 本研究では、大きな測定ピッチ(〜100ミクロン以上)のシリコンストリップ検出器が持つべき構造について検討を加え、大口径シリコン検出器のあるべきデザインを見いだすことを目標としている。 広い測定ピッチの検出器において考慮すべきは以下の点である。 1)広いピッチにもかかわらずシリコン内での電荷の収集効率が良いこと。 2)ノイズ特性が優れていること。 3)位置測定精度が測定ピッチのに比して十分良いこと。 これらより以下の結論が得られる。 A)p型のストリップにおいては、狭ピッチでないと1)を満たさないが、狭ピッチを電気的につないで広い測定ピッチとしたとき2)のノイズ特性が問題となる。 B)n型のストリップでは、広ピッチでも1)を満たすことがストリップ間にp型ストリップを埋め込むことにより可能で、2)のノイズ特性を悪化させない構造がありうる。近接ストリップへの電荷分割情報を使うことで、3)についても満足の行くものとなる。 これらの考察より、広いピッチのn型ストリップとその間に埋め込まれたp型ストリップ(p-ストリップ)の構造が、大口径シリコン検出器にとって最も好適であるとの結論が得られた。
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[Publications] H.Hanai, et al: "Measurement of τ polarization in e^+e^- annihilation at √<S>=58 GeV." Physics Letters B. 403. 155-162 (1997)
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[Publications] H.Hamasaki, et al: "Measurement of p p^^- pair production from two photon collision at TRISTAN" Physics Letters B. 407. 185-192 (1997)