1998 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブル基板を用いた大面積ガスマイクロストリップ測定器の開発
Project/Area Number |
09640383
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
尾高 茂 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所・物理第一研究系, 助手 (20160880)
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Keywords | ガスマイクロストリップ / フレキシブル基板 / ポリイミド基板 / フォトリソグラフ |
Research Abstract |
本年度は前年度に試作したマイクロストリップ電極基板の寸法精度、表面形状等の検査を行った。微細なパターンであるため検査の手法自体が開発要素を伴っており、研究の進行はなかなか思うにまかせなかった。十分な予算的裏付けが有れば専門の技術を有する企業に委託することによって比較的簡単に行うこともできたのであろうが、現実の制約の中では試行錯誤を繰り返すより無かった。幸い、本研究所工作センター担当者の協力を得ることができ、CCD顕微鏡、断面研磨装置、電子顕微鏡等の機材を使わせていただくことができた。但し検査手法の最適化が未だ不十分な所があり、断面形状の詳細についての検査は今後の課題として残されている。 これまでの検査結果から、ガラスマスクを使う等という配慮は必要であるが、普通のFPC(フレキシブルプリント基板)技術でも十分な精度(2μm程度)で均一な20〜30μm幅のマイクロストリップ電極が製作できるということが分かった。線幅の絶対精度は今後の開発課題であるが、実用上は大きな障害とはならないはずである。今回の試作品は幅と比較して非常に厚い(18μm)電極材料を使用している。ガスマイクロストリップ測定器の重大な問題の一つである放電現象は厚い電極の使用によって解決される可能性がある。この様な厚い材料で、しかもフレキシブルな基板上に、実用になり得る程度の均一な細い電極が形成可能であるということを示せたことは、本研究の非常に大きな成果である。 今年度は試作基板の耐電圧等の電気的特性の試験も行う予定であったが、読み出し用基板への貼り付け手法の確立に手間取り、そこまで行うことができなかった。試験用のガス容器などの製作は完了しているので、これらの試験は今後行う予定である。さらに予算的なサポートが得られれば、今回の研究で得られた知見を基にして実用的な測定器開発のための試作を行っていきたい。
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