1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640387
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡邊 誠 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00025397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 丈雄 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80261478)
羽多野 忠 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90302223)
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Keywords | 磁気旋光 / ファラディー効果 / 軟X線 / 多層膜偏光子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多層膜を用いて軟X線ファラデー回転測定をまず放射光光源で手軽に行なえるようにし、かつこの測定が放射光を用いた磁気円二色性(MCD)測定よりもより磁性体のバルクの性質を与えることを示すことと、ファラデー回転測定を実験室でも可能にすることである。 10年度は、前年度製作した測定装置を用い、ファラデー回転の実験を室温で行なった。測定試料として、Ni薄膜(Alの酸化防止膜のあるものとないもの)、Co薄膜およびCo/Pt多層膜をマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法および抵抗加熱法によって製作した。そのためのターゲット材などを購入した。基板として銅メッシュに裏打ちされたコロジオン膜を用いた。まず最初に分子科学研究所の放射光施設(UVSOR)において実験を行なった。偏光子として透過型多層膜を用い、分光器の後の直線偏光度を向上させ、NiのM_<2.3>、CoのM_<2.3>およびCo/PtのCoのM_<2.3>とPtのN_<6.7>吸収端付近(50〜70eV)で測定を行なった。Niで得られたファラデー回転角は、これまで140Kで測定されたMCDのデータをクラマース・クローニヒ解析して得られたものに比べて大きかった。このことより本研究で得られた磁気光学効果の値の方が全光電子収量法によるMCDで得られた値よりも表面状態(酸化など)の影響を受け難く、よりバルクの性質を反映しているものと考えられ、この方法の有用性が実証された。この成果については、第12回真空紫外線物理学国際会議(VUV-12)で報告した。さらに実験室のレーザー誘起プラズマ光源全用いた分光系において、偏光子として反射型多層膜を用い、ファラデー回転測定を実現した。これは世界で最初の試みであり、S/N比は劣るが放射光光源を用いなくても磁気分光の実験が可能となった。この成果については目下投稿準備中である。
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[Publications] Weibing Hu: "Transmission multilayer polarizers for use in the 55-90 eV region" Journal of Synchrotron Radiation. 5. 732-734 (1998)
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[Publications] Tadashi Hatano: "Handling the polarization of soft X-ray using transmission multilayers.A case study" Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena. 92. 311-314 (1998)
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[Publications] Tadashi Hatano: "Faraday rotation measurement around Ni M_<2.3> edges using Al/YB_6 multilayer polarizers" Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena. 印刷中. (1999)