1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
阿部 清 帝京大学, 薬学部, 助手 (70159424)
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Keywords | 強誘導体 / 分域構造 / SEM / 亜硝酸ナトリウム / チオ尿素 / TGS / ジュールートムソン効果 |
Research Abstract |
1.これまでの研究によって得られた新たな知見 1)SEMによる強誘電分域構造の直接観察を、長時間安定して行う方法として試料の冷却を行っている。抗電場が大きくなる、Tcよりずっと低温で観察を行えば、帯電による分極反転を防ぎ、長時間観察が可能になると考えた。しかし,2kVの低加速電圧で観察が困難になる原因は分域壁の移動を伴う帯電による分極反転ではなく単なる正負分域のコントラストの消失である。このコントラストは冷却速度が大きいほど、またTcに近いほど長持ちすることから、焦電荷の変化率に依存すると思われる。 2)正負の分域に対応するコントラストの寿命にSEMの1次電子ビームが大きく影響していると考えられる。そこで、1次電子ビームを弱くして(つまり電流を減らす)コントラストの寿命を延ばすことを試みた。電流を下げれば当然2次電子像は暗くなるのでポラロイドフィルムの感度をISO800からISO3000に上げた。しかし、像の鮮明さは極端に悪化し、目的としている1μm以下の細かな分域構造の観察には適さないことがわかった。 2.今後の研究計画 1)焦電荷の温度変化率が大きいTc直下で温度を振り、電子線による表面電荷の飽和をさける。常に二種類の表面電荷が存在している状態を作ればコントラストは消失しない。 2)バラ相で常誘電体を蒸着した試料を、フェロ相でSEMによる分域観察を行う。蒸着する常誘電体として、大気中保存・電子線照射に対して安定な、高原子番号の金属元素からなる金属塩・金属酸化物を探す。 3)画像の記録を一枚350円ほどの高価なポラロイド写真だけに依存せず、解像度で妥協できるならデジタルカメラによる撮影、あるいはAD変換ボードを経由しコンピュータに取り込みデジタル画像としての記録も実施する。
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