1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640428
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 銹二 信州大学, 理学部, 教授 (00023151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 洌 信州大学, 理学部, 助教授 (40020664)
永井 寛之 信州大学, 理学部, 教授 (60020674)
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Keywords | 遍歴電子模型 / メタ磁性 / 電子構造 / 金属間化合物 |
Research Abstract |
1. パイライト型化合物CoS_2の電子構造の計算 最近、この化合物は、強磁場、高圧下でメタ磁性を示すことが見い出された。本研究では、局所密度汎関数法の基づくLMTO-ASA法で第一原理計算を行い、格子定数がある値より小さくなると磁気モーメントが急激に減少し、高圧下でメタ磁性転移を起こす可能性を指摘した。 2. 立方晶ラーベス相化合物TiBe_2の電子構造の計算 この化合物は以前からメタ磁性を示すのではないかと考えられていた。本研究ではfixed-spin-moment法により、磁気エネルギーを磁化の関数として計算し、格子定数が小さいとメタ磁性転移が起きることが示された。 3. 擬二元系化合物Y(Co,Ni)_5の遍歴電子メタ磁性 この化合物はNiの組成を増すと、ある臨界組成で強磁性から常磁性に1次転移するという実験結果を、電子構造を計算することにより説明した。 4. 遍歴電子メタ磁性への零点スピン揺らぎの影響 本研究では、スピンの零点揺らぎの影響を取り入れ、Landau係数に零点揺らぎの補正を行えば、従来の理論がそのまま有効であることを示した。 5. 高圧下におけるMnSiの遍歴電子メタ磁性 最近、この化合物は高圧下でメタ磁性の振る舞いを示すことが見い出されている。本研究では、fixed-spin-moment法により、その磁気エネルギーを磁化の関数として、メタ磁性転移、帯磁率の極大現象等を説明した。 6. UCoAlの5f遍歴電子メタ磁性 化合物UCoAlが遍歴電子メタ磁性の振る舞いをすることが、実験的に見つかり、5f電子を遍歴電子として扱い、スピンの縦揺らぎのみを取り入れたメタ磁性の理論で解析した。 これらの研究から、種々の化合物が遍歴電子メタ磁性を示すことが解明されたが、更に今後、Y(Co,Mn)_2や狭いバンドギャップをもつ半導体FeSiのメタ磁性の研究を遂行する必要が生じた。
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[Publications] H.YAMADA: "Electronics structre and magnetic properties of COS_2" J,Magn. Magn, Mat.117-181. 607-608 (1998)
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[Publications] H.YAMADA: "High-field magnetism of TiBe_2" Physica B. 246-247. 502-504 (1998)
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[Publications] H.YAMADA: "Itinerant-electron metamagenetism of Y (Co, Ni) 5" J.Phys. ; Condens. Matter. 11. 483-492 (1999)
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[Publications] H.YAMADA: "On the zero-point spin-fluctuations in itinerant-electron metamagnet." 信州大学理学部紀要. 33.2印刷中. (1999)
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[Publications] H.YAMADA: "Itinerant-electron metamagnetism of Mnsi at high bressure" Phys.Rev.B. 59.9印刷中. (1999)
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[Publications] N.V.MUSHNIKOV: "Magnetic properties of the 5f itinerant electron metamagnet UCoAl under high pressure" Phys.Rev.B. 59.9印刷中. (1999)