1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮島 英紀 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70166180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日向 裕幸 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70126150)
小野 輝男 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (90296749)
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Keywords | 複合膜 / 量子トンネル効果 / 磁壁移動 / 巨大磁気抵抗効果 / ピン止め中心 / 強磁性細線 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人為的に制御されたピン止め障壁を持つ系での巨視的トンネル効果(MQTM)を明確にすることである。この研究は、1)高保磁力を有する可能性のある交換スプリング結合磁石の磁化反転機構の解明、2)磁気抵抗効果を利用した磁壁結合素子の開発などに役立つものと考えられる。本年度は次の3点を中心に研究を行った。1)MQTMが確実に実現できると予想される10mK〜100mKの温度生成法の確立するため、He^3-He^4希釈冷凍機の冷凍能力を向上をはかった。2)ピン止め障壁を人為的に制御するため、細孔を通して磁気的に結合したハード磁性体/非磁性SiO_2/ソフト磁性体からなる3層構造膜を作製した。3)電子線リソグラフィー法により、ピン止め障壁を持った強磁性細線を作製し、これの磁化反転の進行過程を巨大磁気抵抗効果を用いて調べた。現在、1)の課題については予備的な実験をしている段階であり、次年度に本格化する予定である。2)については、細孔の中で磁性体が連続的に成膜しない問題が生じ、細孔径をかえた試料を作製している。3)は、予想通りの成果を得た。NiFe/Cu/NiFe多層構造をもつ細線を作製し、その途中に括れを入れ、これをピン止め障壁にした。この細線の磁気抵抗を測ったところ磁気抵抗が階段状に変化した。これは括れで磁壁移動がピン止めされたために生じたものである。この結果について論文として公刊した。
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Research Products
(1 results)