1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久保 健 筑波大学, 物理学系, 教授 (30015862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桃井 勉 筑波大学, 物理学系, 助手 (80292499)
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Keywords | 強磁性 / 遍歴電子 / 多バンド効果 / フント結合 / 二重交換相互作用 |
Research Abstract |
平成9年度は以下の研究が行われた。 1.無限大次元単純立方格子上の二重縮退のあるハバ-ド模型を動的平均場の理論を用いて調べ、基底状態の相図を求めた。1サイト当たりの電子数密度をnとすると、n=1の場合異なる軌道が交互にならんだ強磁性状態、n=1.2の場合は軌道のない強磁性状態が実現するが、n=0.8の場合は強磁性状態が実現しない事が分かった。この結果は、金属強磁性の実現にいわゆる二重交換相互作用が重要な効果を持っていることを示している。この結果は平成9年7月にオーストラリア国ケアンズ市で開催された磁性国際会議(ICM'97)において発表された。また平成10年度中に論文刊行予定。 2.一般の大きさSのスピンを持つ二重交換模型の1電子グリーン関数に対する単サイト近似を構築し、それを用いて、この系の電子状態および電気抵抗を計算した。これにより、スピンの量子ゆらぎの電子状態にたいする影響を調べた。(ロンドン大学D.M.Edwards教授および大学院生A.Greenとの共同研究、平成10年度中に論文刊行予定)。 3.S=1/2のスピンを持つ二重交換模型の帯磁率を無限大次元単純立方格子において計算した。かなり大規模な量子モンテカルロ計算を行ったが、種々の困難があり、まだ十分低温まで計算ができていないため、来年度に継続する。 4.一次元の二重縮退のあるハバ-ド模型の基底状態を、有限サイズ密度行列繰り込み群を用いて計算し、基底状態の相図を求めた。この研究は来年度に継続する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kubo and T.Momoi: "Ground state of a spin system with two-and four-spin exchange interactions on the triangular lattice" Zeitschrift fur Physik B. 103・3/4. 485-489 (1997)
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[Publications] T.Momoi, K.Kubo and K.Niki: "Possible Chiral Phase Transition in Two-Dimensional Solid ^3He" Physical Review Letters. 79・11. 2081-2084 (1997)
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[Publications] K.Kubo, T.Momoi and K.Niki: "Possibility of a Chiral Phase Transition in Two-Dimensional ^3He Solid" Journal of Low Temperature Physics. 110・1/2. 339-344 (1997)