1998 Fiscal Year Annual Research Report
大自由度カオス系の多重アトラクターと遍歴ダイナミクス
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09640455
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
金子 邦彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30177513)
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| Keywords | 多重アトラクター / アトラクターの強さ / 大域的ひきこみ / 集団運動 / 分化 / カオス的遍歴 / 決定不能性 / 集団カオス |
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| Research Abstract |
(1) 大域結合カオス系の示す集団運動の様相を様々な手法で調べた。まず、ミクロな運動がカオスであり、マクロな平均場の運動が低自由度のカオスになる場合を見出した。これを、マクロレベルのリアプノフ指数という指標を導入することでミクロとマクロを分離してとりだせることを示した。次いで、マクロな平均場の運動が無限自由度であると考えられる場合を示し、その平均場の運動が雑音の導入により低自由度に落ち、雑音の強さsと自由度の間に-log(s)の関係があることを見出し、それを理論的に説明した。これを含めて平均場の運動をペロンフロベニウス方程式により解析し、その多様な振舞の起源を調べた、
(2) アトラクターの強さ、弱いアトラクターへの引き込みについては前年度の研究をまとめて発表するとともにカオス的遍歴との関係も議論した。また、計算理論でいう非決定性を持つ系が力学系としてどのような特徴を持つかを議論した。
(3) 大自由度力学系の立場から生命の問題を議論した。(i)前年度に引続き細胞分化/発生過程の問題を力学系の立場から特に安定性に力点をおいて調べた。(ii)シグナル伝達系の理解に向けて非線形振動の1方向結合系で入力に対してしきい値的に振る舞う応答がある雑音レベルの範囲で可能なことを示し、これを空間リヤプノフ指数で記述した。(iii)代謝系の起源の問題として反応モデルと力学系をくみあわせたモデルを導入し増殖できるユニットの出現を示した.(iv)分子の中にエネルギーを吸収、蓄積する機構の提唱をした。ハミルトン系が適度にカオス的な場合にモードの分離が起こり、それに部分的に熱浴がつくと、非平衡状態において、あるモードにエネルギーが蓄積されるというものである。
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[Publications] T.Shibata and K.Kaneko: "Tongue-Like Bifurcation Structures of the Mean-Field Dynamics in a Network of Chaotic Elements" Physica D. 124. 163-186 (1998)
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[Publications] K.Kaneko: "On the Strength of Attractors in a High-dimensional System : Milnor Attractor Network, Robust Global Attraction. and Noise-induced Selection" Physica D.124. 308-330 (1998)
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[Publications] T.Shibata and K.Kaneko: "Collective Chaos" Phys.Rev.Lett.81. 4116-4119 (1998)
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[Publications] A.Saito and K.Kaneko: "Geometry of Undecidable Systems" Prog.Theor.Phys.99. 885-890 (1998)
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[Publications] K.Fujimoto and K.Kaneko: "Noise Induced Boundary Dependence through Convective Instability" Physica D. (in press).
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[Publications] K.Kaneko: "Life as Complex Systems : Viewpoint from Intra-Inter Dynamics" Complexity. 3. 53-60 (1998)
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[Publications] T.Yamamoto and K.Kaneko: "Tile Automaton : a model for an architecutre of a living system" Artificial Life in press.
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[Publications] 金子邦彦、池上高志: "複雑系の進化的シナリオ--生命の発展様式--" 朝倉書店, 316 (1998)
