1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640457
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐野 理 東京農工大学, 工学部, 教授 (80126292)
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Keywords | 粒状体 / 流動化 / パターン形成 / 対流 / 表面波 / 異常拡散 / カオス / フラクタル |
Research Abstract |
前年度に引き続き,以下の2種類の実験と解析・数値計算を行なった. 1.粒状体の加振によるパターン形成の研究.ガラスビーズを加振機で鉛直方向に振動させたときの集合的な挙動を,主として高速度ビデオカメラで収録し画像解析によって調べ,また数値シミュレーションにより系をモデル化した.(1)粒状体薄層を2種類の振動数を合成した波形で加振したときのパターン形成について,詳細なパターンダイヤグラムを作成した.また,準結晶パターンのような新たなパターンを発見した.(2)アスペクト比の異なる数種類のアクリル製容器での実験により,2次元パターンから3次元パターンへの遷移過程や,流れによる間欠的な配置崩壊(一種の沸騰現象)を調べた.(3〉円筒内に少数個の粒状体を1次元的に配列させた系でもカオスが発生することを確認し,また数値シミュレーションによってその過程を再現した. 2.流れによる粒状体中の空洞の崩壊・成長,移動の研究.(1)粒状体中に円柱状あるいは球状の空洞が存在したときの流れの変化を解析的に求めた.解析の結果,粒状体の粒子が細かい場合には空洞の存在が極めて大な影響を与え,たとえば,円柱状空洞中心の流速は,それがない場合の3倍,球状空洞の場合のそれは6倍にも達すること,等を明かにした.(2)粒状体中に空洞領域が発生したときの粒子の移動や空洞領域の成長過程の実験では,ある臨界流量を超えたところで応力網が崩れ,それが連鎖的に伝播して流動化する様子や集合体としてのパターンの時間的・空間的なカオスや間欠的な挙動を捕らえた. 以上を通して,連続体と離散粒子系の橋渡しとなるメゾスコピック領域での挙動がある程度明らかになってきている.これらの成果は学術雑誌の論文,昨年9月の物理学会,11月の筑波および12月のインドでの国際学会等で発表された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] O.Sano: "Random Motion of a Marker Particle on Square Cells Formed on Vertically Vibrated Granular Layer"J. Phys. Soc. Jpn.. 68・5. 1769-1777 (1999)
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[Publications] G.P.RajaSekhar: "Viscous Flow past a Circular/Spherical Void in Porous Media. An application to Measurement of the Velocity of Groundwater by the Single Boring Method"Proc. 44th Cong. Indian Soc. Theor. Appli. Mech.. 15-20 (1999)
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[Publications] O.Sano: "Pattern Formation on the Vertically Vibrated Granular Layer"Forma. 14・4. (1999)