1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640465
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
石井 晃 鳥取大学, 工学部, 助教授 (70183001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逢坂 豪 鳥取大学, 工学部, 教授 (80032316)
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Keywords | 第一原理計算 / 混合基底 / 実空間 / 有限要素法 |
Research Abstract |
10年度は本研究で考える混合基底で最も重要となる実空間による計算の部分の開発を行った。逆空間では不純物計算や表面計算のように3次元的な対称性のない場合に非常に大きな系で計算せざるを得なくなるので、メモリーの節約という意味でも実空間で計算することは非常に重要である。 実空間での計算は大きく差分法と有限要素法があるが、1次元の差分を繰り返す不等間隔差分よりも3次元で原子の中心の周りのみに計算点を増やせるという点で、有限要素法の方が計算上の融通が利く。計算要素は土田・塚田(1997)にあるような直方体要素では差分法と同じ欠点が現れてくるので、もっとも融通の利きやすい四面体要素で空間を分割し、それに基づいた有限要素法によるシュレーディンガー方程式を3次元で解くプログラムの開発に本年度は集中した。まず、1次元で十分にプログラムの動作を確認し、計算点密度をあげることと要素関数の次数を上げることでは要素関数の高次化の方が計算上有利となることを結論として得た。その後、2次元、3次元と次元をあげた場合のプログラムを開発した。目下のところ3次元では任意の四面体で分割した空間について1次関数の要素関数による計算は出来るようになっている。しかしながら、空間を一様な(同一体積の)四面体で分割しての1次の要素関数による計算では水素原子の1S状態のエネルギー固有値がそもそも精度的に十分な値が得られないことがわかった。 今後さらに精度向上のために2次以上の要素関数を用いた場合のプログラム化と、現在手動で行っている空間を任意の計算点密度で任意の四面体(ドロネイ四面体)で自動分割するプログラムの開発を行っており、これが完成すれば直ちに第一原理計算本体に実空間計算を組み込むことが可能となる。
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