1998 Fiscal Year Annual Research Report
モンテカルロ法による複雑な構造をもつランダムスピン系の研究
Project/Area Number |
09640469
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡部 豊 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (60125515)
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Keywords | イジングモデル / パーコレーション / 有限サイズスケーリング / モンテカルロ法 / 相分離 / ずり流動場 |
Research Abstract |
種々のランダム性が相転移や臨界現象に及ぼす効果は興味ある研究対象であり、本研究の目的は、大規模なモンテカルロシミュレーションにより、ランダムスピン系に関する精度の高い情報を得ると同時に、純理論的解析をおし進めることにある。特にスピン系の相転移と幾何学的パーコレーションとの関係や、複雑液体を含む多彩な相の相分離過程に興味を持って研究を行った。本年度に行った研究の中から3つの成果に絞って報告する。 第1に、スピン系の相転移をパーコレーション問題として扱い、スピン系の相転移を幾何学的に理解することを試みた。特に系の縦横比が1と異なる有限系のイジングモデルにおいて、クラスターとして熱ゆらぎの効果を正しく取り込んだ、いわゆるKasteleyn-Fortuinクラスターのパーコレーションの性質に注目した。パーコレートするクラスターの数によりパーコレーション確率などの物理量を分解し、その有限サイズスケーリングの性質を調べ、また、ランダム希釈系への応用を試みた。 第2に、ユニバーサル有限サイズスケーリングの問題を取り扱い、特に、格子の縦横比が1と異なり、曲がった境界条件を課した系の有限サイズスケーリング関数について論じた。さらに、この問題と共形場理論との関係に関して新しい知見を得た。 第3に、すり流動場中の相分離動力学のシミュレーション手法として、Kawasakiダイナミクスに従って時間発展するイジングモデルに隣接層の時間的なすりを導入するモデルに基づく新しい手法を開発した。このモデルと時間依存Ginzburg-Landau方程式による数値シミュレーションの結果と比較検討した。
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Research Products
(1 results)