1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640476
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神部 勉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60013679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅木 誠 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40221808)
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Keywords | 乱流場 / 渦構造 / 渦運動 / 波動 / 直接数値シミュレーション / 高速流 / 渦輪 |
Research Abstract |
本研究では、乱流場の中の渦構造の研究、および渦運動と波動と相互作用の研究を目標としている。実験的には、水中あるいは空気中に強い渦を発生させ、その形状と運動の様子を光学的および音響学的に観測し、測定を行う。理論的には、乱流中の渦に関し、その周辺の速度場の統計法則について新しいモデルによる解析を行うとともに、直接数値シミュレーションのデータについて、その統計法則と構造との関係を明らかにする。応用面では高速流の騒音発生のメカニズムを明らかにすることを目的とする。 実験に使う装置は、本年度製作した。それは、円筒と2枚の回転円盤からなる回転乱流実験装置で、2枚の円盤はそれぞれ2つのモーターで駆動され、互いに反対の向きに回転し、その間の剪断乱流の場に自発的に生ずる強く細い渦を観測することが目的である。渦は微小な気泡と散乱光によって可視化し、高速高解像度のビデオ装置によって記録した。さらに圧力センサーによって検出した信号を、渦と同定し、そのサイズの定量データを得た。今年度はこのようにして、乱流場の微細構造である渦について、光学的観測および圧力場の検出を行なった。この実験は本年度の修士論文として報告されている。 乱流場で歪み変形を受ける渦、すなわちバーガース渦のランダムな集合の有する統計法則を、簡単化したモデルで解析した。渦近傍の2点間の速度差の確率密度関数を求めて、まず速度差のn次モーメントのスケール則を明らかにするとともに、2次、3次モーメントとエネルギー散逸率について、コルモゴロフの4/5法則が成り立っていることを明らかにした。さらに、構造関数のスケール指数も求められた。 一様等方性乱流の直接数値シミュレーションのデータについて、散逸率および(速度勾配)^2の条件付確率分布の解析から、縦速度差の確率密度関数の形を明らかにした。 2渦輸の斜め衝突の直接数値シミュレーションのデータに基づき、そごで発生する音波を計算して求め、主音源の位置を同定した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Shimizu,Y.Watanabe and T.Kambe: "Scattered waves generated by shock wave and vortex ring interaction" Fluid Dynamics Research. 25. (1999)
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[Publications] K.Ishii,S.Adachi and T.Kambe: "Sound generation in oblique collision of two vortex rings" Journal of Physical Society of Japan. 67. 2306-2314 (1998)
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[Publications] Takahashi,Kambe,Nakano,Gotoh,and Yamamoto: "Conditional averages and probability density functions in the passive scalar field" Journal of Physical Society of Japan. 67. 833-841 (1998)
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[Publications] Takahashi,Kambe,Nakano,Gotoh,and Yamamoto: "Probability density function of longitudinal velocity incremetn in homogeneous turbulence" Journal of Physical Society of Japan. 68. 86-96 (1999)
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[Publications] K.Suzuki,Y.Watanabe,and T.Kambe: "Geometrical analysis of free rotation of a rigid body" Journal of Physics : Math.Gen.31. 6073-6080 (1998)