1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640478
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
新田 英雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50198529)
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Keywords | 相対論的粒子 / X線放射 / コヒーレント放射 / X線回折 / チャネリング / パラメトリックX線 / 遷移放射 |
Research Abstract |
平成9年度に、パラメトリックX線放射に関する新たな実験的知見がドイツのグループによって得られた。それは放射X線の偏極方向に関するものであり、従来のトムスクのグループによる実験結果と全く異なる偏極方向分布を与えるものであった。その基本的な理論はすでに実験グループによって解明されていたが、その導出方法はやや複雑であった。それに対し、本研究により、はるかに簡明な偏極方向分布を与える方法を見出した。また、それにより、パラメトリックX線の観測方向によって双曲分布、動径分布の違いがみられることを理論的に明らかにした。現在、動力学的効果を取り入れた計算を行っている。運動学的(摂動論的)値との違いが見られれば、これにより動力学的効果の検証ができると予想される。 一方、Smith-Purcell放射に関する研究は、進展が遅れている。それは、想定していた衝突係数依存性を取りいれる方法が、期待していたほど機能しないことが判明したためである。新たにウィグナー座標を用いた半古典近似を試すことにより、平成10年度の研究期間内に解決したい。 また、チャネリング条件におけるパラメトリックX線放射を計算するため、チャネリング波動関数を求めるプログラムを作成した。これにより、従来のチャネリング放射の線位置およびその温度依存性を比較したが、よく一致した。したがって、作成したプログラムは正しく機能していると考えられる。強度計算は、来年度早々に終了する予定である。
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