1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640494
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
水島 二郎 同志社大学, 工学部, 教授 (70102027)
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Keywords | 管路流れ / 流れの不安定性 / 解の分岐 / 乱流遷移 / 流量分配 |
Research Abstract |
本研究計画では、二次元対称な急拡大部をもつ流路流れの安定性、周期流およびカオスの発生、乱流への遷移について、微分方程式の解の分岐理論、線形及び非線形安定性理論、数値シミュレーションを用いて理論的に調べ、さらに流れの可視化、LDVを用いた流速測定により実験的に調べた。具体的には、いろいろなアスペクト比の急拡大部を持つ流路流れの安定性を調べ、対称性破壊のピッチフォーク分岐および非対称定常流が対称定常流になる逆ピッチフォーク分岐の臨界レイノルズ数を求めた。特に、急拡大部のアスペクト比が解の分岐にどのように影響するかを重点的に調べ、ピッチフォーク分岐とホップ分岐の入れ替わる臨界アスペクト比を求めた。さらに、流れの不安定性により流れのパターンが変化したときに管路内の圧力分布がどのような影響を受けるか詳しく調べた。その結果、急拡大部がない管路流れでは圧力は下流に行くに従って圧力が低下するのに対し、急拡大部がある管路流れでは急拡大部の入り口での圧力よりも出口での圧力の方が大きくなる逆圧力勾配の現象が見いだされた。 また、出口部(流出部)を2個もつ流路流れについても同様な研究を行い、流量制御や流れの中に発生する振動制御への応用について研究を行った。この流れについては、二つの境界条件を取り扱った。一つは2個の出口での圧力が等しい場合、もう一つは2個の出口での流出量が等しい場合である。その結果、いづれの場合にも、流れはピッチフォーク分岐を起こし非対称な流れとなることを発見した。圧力が等しい場合、流れが非対称になったときの2個の出口における流量の違いは予想に反しわずか5%以内であること、また流量が等しい場合は、2個の出口における圧力の差が5%以内であることがわかった。この流れのホップ分岐については新たな研究手法の開発が必要であり、未だ充分な研究を行っていないので今後も継続して研究を行う。
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[Publications] 荒木圭典: "球殻クエット流の3次元安定性(第1報,数値計算法とその精度)" 日本機械学会論文集(B編). 64,626. 3175-3182 (1998)
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[Publications] 水島二郎: "急拡大・急縮小流路流れの流体力学的特性" 日本機械学会論文集(B編). 64,624. 2491-2498 (1998)
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[Publications] Jiro Mizushima: "Resonant interactions of Dean vortices in a curved channel flow" Journal of the Physical Society of Japan. 67,1. 130-139 (1998)
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[Publications] Jiro Mizushima: "Onset of 3D thermal convection in cubic cavity" Journal of the Physical Society of Japan. 66,2. 2337-2341 (1997)
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[Publications] Keisuke Araki: "The nonaxisymmetric instability of the wide-gap spherical Couette flow" Physics of fluids. 9,4. 1197-1199 (1997)