1997 Fiscal Year Annual Research Report
砕石発破の波形記録による東北日本孤の下部殻構造の研究
Project/Area Number |
09640503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
長谷見 晶子 山形大学, 理学部, 教授 (10134149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 茂木 東北大学, 理学部, 助教授 (00004490)
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Keywords | 下部地殻 / 東北日本 / 人工地震 / 地震波形 |
Research Abstract |
東北大学理学部地震・噴火予知研究観測センターに保存されている地震波形記録から砕石発破の記録を選び出し、データファイルを作成した。期間は1995年から約2年間、対象範囲は38-40度Nの東北地方中央部、集めたデータ量は約600Mバイトである。これらの波形に反射法処理で用いられているNMO補正を行うことにより、観測点と震源(砕石場)との中点付近の中-下部地殻に反射面(構造の境界面)が存在するかどうかや面の深さを調べることができる。この作業を系統的に行うために、与えられた緯度、経度の範囲に中点を持つ震源と観測点の組み合わせによる記録を選び出し、NMO補正を行った結果を表示するプログラムを作成した。太平洋に近い地域に関しては記録も多く、北上山地の下部地殻-モホ面付近に反射面が存在することが確認できた。しかし、脊梁付近になるとデータが少なく波形も複雑なため、今後は期間をさらに拡大して記録を収集する。 東北地方の脊梁山脈の東側に比べると西側には砕石場が少ないため、砕石発破の波形だけでは十分なデータが得られない。そこで、臨時観測を行って波形を収集した。震源は平成9年11月に東北日本を横断する測線で屈折法探査のために行われた爆破である。これらの爆破のうち、脊梁付近とその西側で行われたものを山形県北部に測線を設けて観測した。測線長は約20km,観測点数は33点である。得られた波形記録は脊梁付近と秋田・山形県境付近の地殻中部に境界面が存在し、秋田・山形県西部の県境では境界面が非常に明瞭であることを示している。
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