1998 Fiscal Year Annual Research Report
砕石発破の波形記録による東北日本弧の下部地殻構造の研究
Project/Area Number |
09640503
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
長谷見 晶子 山形大学, 理学部, 教授 (10134149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 茂木 科学技術庁, 防災科学技術研究所・地圏地球科学技術研究部, 部長
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Keywords | 人工地震 / 下部地殻 / 反射面 / 東北日本 |
Research Abstract |
平成10年度は砕石発破の波形の収集と解析により主として東北日本弧の太平洋岸〜火山フロントにかけて中部・下部地殻の反射面の深さ分布を求めた。火山フロントから西側では採石場が少ないため、反射面の分布を調べられない地域が多かった。 平成10年10月に、東北地方を東西に横断する釜石-岩城側線で爆破地震動の観測実験が行われた。この際に山形県北部(鮭川村)に南北方向の約20kmの長さの測線に33点の観測点を置いて記録した。この観測により、砕石発破のデータが少なかった日本海側の地殻のデータが得られた。平成11年度はこの南北測線と東北大学の観測網による爆破地震動の記録を解析した。 花巻(南北測線までの震央距離92-103km)、沢内(80-93km)、岩城(62-80km)の爆破の南北測線での記録には、地殻中部で反射または屈折したと考えられる明瞭な後続波がみられた。しかし大曲(54-71km)の爆破ではみられなかった。大曲と岩城は約30kmしか離れていないが、岩城の発破では初動の0.8秒後あたりに振幅が初動の5倍以上にもなる後続波が現れるのに対し、大曲では初動と同程度の振幅の波が続いているものの、観測点間の連続性が無く後続波として判別できない。南北側線付近に位置する東北大学の観測点(鮭川、酒田、湯の台)の記録についても同様の特徴がみられた。初動振幅の大きさを解析した結果、秋田県南部の日本沿岸では地殻上部で波が減衰し初動が小さくなり、そのために岩城の発破点からくる波の後続波が明瞭になる可能性が考えられた。
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