1997 Fiscal Year Annual Research Report
氷の塑性異方性を考慮した新流動則による氷床の動力学的研究
Project/Area Number |
09640523
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
東 信彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70182996)
|
Keywords | 氷の流動則 / 氷床の動力学 / アイスファブリック |
Research Abstract |
本研究は巨大氷床の流動を計算する場合の構成方程式となる流動則を検証し、さらに発展させるのが目的である。申請者によって最近提案された新流動則にはいくつかの仮定が入っており、それに対する実験的裏付けを行うことが第一の狙いである。 今年度の研究実績:3軸歪測定用一軸圧縮クリープ装置の製作し、試料に人工多結晶氷および南極氷を用いてクリープ実験を行った。圧縮軸(z軸)およびその他の直行二軸(x軸、y軸)方向の変位も測定し、試料のC軸方位分布と三軸歪み成分の関係を調べた。この結果を理論モデルに適用したところ良く一致した。さらに理論モデルの妥当性を検討するために、側圧が検出可能な二軸圧縮クリープ装置を設計試作した。現在実験が進行中であるが、本実験は初の試みであり、これによって変形中のファブリックの変化と応力歪み関係の変化から理論モデルの最終的な検証が可能である。 次に新流動則を用いて氷床中のテクスチャをシミュレートするモデル(粒成長-キンクモデル)を開発した。これらから過去の地球の気候変動に関する新しい情報が引き出せることを示した。これらは来る国際会議(International Symposium on Antarctic Glaciology)で発表される。
|