1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640524
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
北岡 豪一 岡山理科大学, 理学部, 教授 (30093230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 一裕 岡山理科大学, 理学部, 講師 (20239883)
大沢 信二 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30243009)
由佐 悠紀 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025403)
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Keywords | 活火山 / 天水循環 / マグマ性流体 / 安定同位体 / トリチウム / 湧水 / 温泉水 / 九重硫黄山 |
Research Abstract |
活火山、九重硫黄山では、これまでの安定同位体及びトリチウムの研究から、少なくとも、1995年の水蒸気爆発の前は、数十年にわたり、マグマ性蒸気の放出量に変化があった(減少した)ものと推定される。そのような変動には、深部のマグマ性流体が上昇する通路の透過性に変化が生じた(目詰まりなど)可能性が強い。火山の内部では、マグマの熱で駆動された深い対流運動が形成されていて、天水は少なくとも数kmの深さまで、蒸気化を伴いながら循環している。マグマ性の蒸気と天水の相互作用によって形成された温泉水は、噴気地の縁辺部で湧出し、表流と伏流を繰り返しながら谷に沿うように流出している。温泉水は、そういう表層部だけでなく、深部で他の方向にも流出していると考えられる。それは、噴気地とその周辺部に形成された深い循環過程では、種々の深さで熱水が形成されていると考えられるからである。 そのような火山体の深部で形成され、深部を経由する熱水は、やがて天水の速い循環系に入り、山麓部の地下水流動系の水質や温度に影響を与えている可能性がある。活火山からマグマ性流体の噴出量に変動があるので、それが何らかの形(温度と水質)で周辺部の地下水流動系に伝播しているものと考えられる。このような観点から、くじゅう山系の周辺の種々の標高で、湧水、河川水の化学及び同位体の研究をはじめた。これまでの結果は、地下水や湧水には、あきらかに火山性流体の影響を受けていると考えられるものがある。このような水について温度や水質をモニターすることにより、火山体内部で起こっている動態を知る手がかりが得られる可能性がある。今後のさらなる研究の端緒が開かれた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 北岡豪一: "くじゅう火山群の湧水と河川水の安定同位体比とトリチウム濃度"大分県温泉調査研究会報告. 50号. 15-18 (1999)
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[Publications] Ohsawa,S.: "Entrainment of atmospheric air into the volcanic system during the 1995 phreatic eruption of Kuju Volcano,Japan."J.Volcanol.Geotherm.Res.. (in press). (2000)