1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラマンライダーによる都市境界層内温度・水蒸気分布の昼夜連続観測
Project/Area Number |
09640527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
阿保 真 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (20167951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 憲次 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50214242)
長澤 親生 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80145664)
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Keywords | ラマンライダー / 都市境界層 / 大気温度測定 / 水蒸気分布 / 原子フィルター |
Research Abstract |
本研究では、都市大気境界層付近まで(高度1〜2km程度)の大気温度と水蒸気濃度の鉛直分布を背景光の多い昼間でも測定できるラマンライダーシステムを開発し、昼夜間の大気温度と水蒸気濃度の連続観測を行うことを目的とする。本研究における重要な技術要素は,狭帯域のバンドパスフィルターの製作と、波長可変レーザーの開発である。まず、狭帯域のバンドパスフィルターを実現するため、磁石と原子蒸気セルを用いた原子ファラデーフィルターの設計と試作を行った。設計では、計算機シミュレーションにより、カルシウム(423nm)、ナトリウム(589nm)、リチウム(671nm)、カリウム(770nm)の各原子のファラデーフィルターについてセル温度、セル長、磁場強度の最適条件を求めた。更に、カリウム及びナトリウムについては実際にフィルターを作成し、その透過特性を得た。また、フィルターの有効性を確認するために、試作したナトリウム原子ファラデーフィルターを現有のYAGレーザー励起色素レーザーを用いたライダーシステムに組み込み、昼間の背景光の大きい条件下でフォトンカウントレベルの散乱光の受信に成功した。これにより、受信フィルターの製作はおおむね完了した。今後は、この原子フィルターの中心波長に窒素及び水蒸気のラマンシフトを発生させる波長可変レーザーシステムを開発し、実際に昼夜間の大気温度と水蒸気濃度の連続観測を試みる予定である。
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