1997 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏-電離圏結合系におけるULF波動伝播の基盤研究
Project/Area Number |
09640532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
糸長 雅弘 九州大学, 工学部, 講師 (60213104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 茂 運輸省気象大学校, 助教授
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Keywords | 磁気圏 / 電離層 / ULF波動 / 磁気音波 / Alfven波 / サブストーム / Pi2脈動 / 沿磁力線電流 |
Research Abstract |
計算機シミュレーションにより,磁気圏一電離圏結合系におけるULF波動伝播の鍵となる物理素過程の1つである「磁気赤道における内部磁気圏の過渡応答」と「磁気音波と低緯度赤道域電離層との相互作用」を解明した.磁気赤道における内部磁気圏の過渡応答では,低緯度赤道域Pi2脈動の原因として,振動するサブストームカレントウェッジから放射される磁気音波により励起される強制振動と空洞共鳴振動が重要であることを示した.磁気音波と低緯度赤道域電離層との相互作用では,過渡応答の立場から,赤道PRIが磁気音波の電離層への直接入射ではつくられないこと,並びに,磁気赤道で観測される脈動の位相の遅れが電離層電気伝導率の赤道での増大に帰せられることを示した.さらに,理論的な立場から,「磁気圏における沿磁力線電流の生成」と「ULF波動と地上磁場との関係」の問題を検討した.磁気圏における沿磁力線電流の生成では,媒質の非一様性の効果と磁力線の曲率の効果による電流生成の機構を明らかにし,サブストームカレントウェッジの形成には,粒子注入により発生する磁気音波に付随した慣性電流とAlfven速度の勾配に起因するその慣性電流の発散が深く関与していることを示した.ULF波動と地上磁場との関係では,地上磁場H成分の位相が低緯度赤道域では緯度に依存せずほぼ一定であることが,磁場の回転の鉛直成分が中性大気中でほぼ0であることを通して,地上で観測されるULF波動の性質のかなりの部分を説明することを示した. 既存並びに現在開発中の3次元グローバルシミュレーションコードの比較検討と改良を行った.双極子磁場磁気圏モデルにおいて従来現実的な扱いをされて来なかった電離層・中性大気領域を考慮し,定常過程を扱う固有値問題的立場で研究を実行し,固有振動数の電離層電気伝導率依存性を見出した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Itonaga: "Transient response of the non-uniform equatorial ionospere to compressional MHD waves" Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics. 60・2. 253-261 (1998)
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[Publications] M.Itonaga: "ULF waves and the ground magnetic field" Journal of Geophysical Research. (1998)