1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島の基盤構造と活断層の形成位置との関係に関する基礎的研究
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09640548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小松 正幸 愛媛大学, 理学部, 教授 (00018665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀実 愛媛大学, 理学部, 助手 (40236625)
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Keywords | 震源断層 / シュードタキライト / 脆一塑性変形 / デタッチメント / 島弧地殻 / 活断層 |
Research Abstract |
現在の活断層と深部構造との関係を考察するための基礎的研究として、日本列島の地殻深部震源領域において何れくらいの深度で地震断層が形成されるか、その条件と断層面の姿勢や構造運動(応力場)との関係、表層断層との関係について古い時代の島弧地殻が断面として現れている領家変成帯および関連する構造体の研究を行った.領家変成帯深部層の断片が衝上している愛媛県八幡浜大島において地震断層運動によって形成されたシュードタキライトが発見され、本年度はこれを解析することを中心に研究を行った.大島のシュードタキライト断層帯は約300mの間に5帯確認される.各帯は1〜3mの幅をもち、この中に無数の断層面が存在する.断層面は主として、主要な滑り面に平行な面(Y面)、これから派生するリーデル剪断面(R1面)および衝上面(P面)からなり、YとR1およびこれらに高角な破断面にシュードタキライトが多く認められる.破断面の方位を統計的にみると滑り方向は北北東である.Y面は先行するマイロナイトの片理面に平行であり、マイロナイトの片理面は初生的層構造に平行である.シュードタキライト断層は岩体の下部すなわち三波川帯との接触断層に近くにあるものほど重複変形が強く、接触断層方向に平行なマイロナイト化(緑色片岩相)されている.このシュードタキライト断層すなわち震源断層の形成条件は脆一塑性変形領域であり、地殻形成中の水平断層(デタッチメント断層)であったか、デタッチメントから派生するランプ、すなわち地殻断片として衝上する断層として形成されたものか二つの可能性がある.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小松正幸ほか2名: "西国西部、八幡浜大島のシュードタキライト" 地質学雑誌. 103・8. XXV-XXVI (1997)
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[Publications] 田中秀実ほか15名: "野島地震断層掘削コア(GSJ,NIED)に見られる断層岩の産状" 地質学雑誌. (印刷中). (1998)