1997 Fiscal Year Annual Research Report
地殻下部およびマントル上部を構成する造岩鉱物の相平衡と熱力学的性質
Project/Area Number |
09640571
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川嵜 智佑 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
|
Keywords | カンラン石 / 単斜輝石 / 斜方輝石 / スピネル / 菫青石 / モンチセライト / 正則溶液 / 無秩序多席固溶体 |
Research Abstract |
1.斜方輝石と菫青石の間のFeとMgの交換反応が温度に大きく依存する事を1気圧のもとで,1000℃から1325℃までの温度条件の実験で明らかにした.これにより,この反応が地質温度計として使える事を示した. 2.パイロープ・ガ-ネット(Mg_3Al_2Si_3O_<12>)の組成を持つ系の相関係を1気圧のもとで調べた.カンラン石+菫青石+スピネルの鉱物組み合わせが1025℃以上でエンスタタイト+菫青石+スピネルの鉱物組み合わせが1000℃以下で安定である事を示した. 3.酸素分圧を制御して,カンラン石と単斜輝石との間のFeとMgの交換反応を1気圧から10キロバ-ルまでの圧力のもとで1150℃の温度条件で,系のCa量を変化させて調べた.これにより,この反応は系のCa量に大きく依存し,Ca量が増加すると分配係数K_D[=(X^<Cpx>_<Mg>X^<Ol>_<Fe>)/(X^<Cpx>_<Fe>X^<Ol>_<Mg>)]が増大することが分かった.また,この反応の圧力依存性はあまり大きくないことが分かった.ところが,Caに富むカンラン石とCaに乏しいカンラン石の間のソルバスは,圧力に大きく依存する事が分かった.この実験事実を説明するために,Ca-Fe-Mgカンラン石を無秩序多席固溶体とし,単斜輝石を正則溶液とする熱力学的定式化を行った.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 小山内康人: "日高変成帯における地殻溶融と酸性マグマの形成" 地質学論集. 47. 29-42 (1997)
-
[Publications] S.Sakai: "An experimental study of the Fe-Mg partitionings between orthopyroxene and cordierite in the Mg-rich portion of the Mg_3Al_2Si_3O_<12>-Fe_3Al_2Si_3O_<12> system at atmospheric pressure" Proceedings of the NIPR Symposium on Antarctic Geoscience. 10. 165-177 (1997)
-
[Publications] T.Kawasaki: "Effects of pressure and Ca^+ on the Fe-Mg partitioning between olivine and clinopyroxene" The Review of High Pressure Science and Technology. 7 (in press). (1998)
-
[Publications] 酒井聡: "Mg_3Al_2Si_3O_<12>(パイロープ組成)を持つMgO-Al_2O_3-SiO_2系の1気圧での相関係" 日本岩石鉱物鉱床学会誌. 93巻1号(印刷中). (1998)