1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640581
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中西 孝 金沢大学, 理学部・助教授 教授(11・3・1〜) (00019499)
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Keywords | 大気浮遊塵 / 土壌粒子塵 / Pu-239,240 / オーシャンフラックス |
Research Abstract |
外洋への土壌粒子塵(及び鉄)フラックスを評価するために環境プルトニウム(Pu)-239,240をトレーサーとする方法を考案し,その方法の可能性を本研究で追求してきている。そのために,長期間に亘って粒径別に採取した大気浮遊塵について,Pu-239,240濃度と鉄などの生体必須金属元素濃度の定量を中心とする実験的研究を平成9年度・10年度に引き続いて実施した。11年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1.アンダーセン式ハイボリウムダストサンプラーを用いて、1995〜1998年に採取した大気浮遊塵試料について(1採取期間は3〜6カ月でこの間の大気処理量は7〜15万m^3),採取期間と粒径画分ごとの試料の97%(30〜950mg)を用いてPu-239,240を分析した。各試料のPuフラクションの電着線源について1〜3カ月間のα線スペクトロメトリーを行い,0〜1.4μBq/mg-浮遊塵のPu-239,240濃度定量値を得た。なお,Pu分離の前処理として行った灰化の前後の質量差から,浮遊塵試料には20〜62%の有機物(煤塵や花粉)が含まれることを明らかにした。 2.上記でPu-239,240分析を行った残りの3%(1〜30mg)の試料について中性子放射化分析を行い,鉄(及び若干の遷移金属元素)の定量を行った。その結果,地殻元素組成に類似した元素組成値と1〜30μg/mg-浮遊塵の鉄濃度値が得られた。 3.大気浮遊塵中のPu-239,240濃度と鉄濃度の相関関係から,細粒フラクションでPu/Fe比が高いことが分かり、Puは浮遊塵の表面に吸着していることが明確になった。 Pu-239,240の測定に長期間を要するため、今後も未測定電着Pu線源の測定を続ける必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Miyamoto, H.Haba, A.Kajikawa K.Masumoto, T.Nakanishi, K.Sakamoto: "Interferences in neutron and photon activation analysis"J.Radioanal.Nucl.Chem.. 239(1). 165-175 (1999)
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[Publications] M.A.Haque,T.Nakanishi: "Host phase of ^<239,240> Pu and ^<241> Am in deep-sea sediment"J.Radioanal.Nucl.Chem.. 239(3). 565-569 (1999)
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[Publications] T.Nakanishi,H.Fukuda,M.Hirose: "Determination of polonium-210 in phosphoric acid"J.Radioanal.Nucl.Chem.. 240(3). 887-891 (1999)
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[Publications] M.A.Haque,T.Nakanishi: "Chemical dissolution of total content of fallout plutonium in deep-sea sediment"J.Radional.Nucl.Chem.. 241(3). 575-579 (1999)
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[Publications] Y.Miyamoto,A.Kajikawa,J.H.Zaidi,T.Nakanishi,K.Sakamoto: "Minor and trace element determination of food spices and pulses of different origins by NAA and PAA"J.Radioanal.Nucl.Chem.. 243(3). 747-765 (2000)