1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640587
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山本 修一 創価大学, 教育学部, 教授 (20182628)
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Keywords | TMAH / 熱分解メチル化法 / 古環境変動 / バイオマーカー / ODP Leg 167 / 推積物 |
Research Abstract |
本研究では,熱分解メチル化法の確立およびカリフォルニア沖堆積物(ODP Leg167 Site 1017,北緯34度32分、西経121度6分,水深991.5m)のHlコア試料(600cm,200試料,約3万年間)を用いて,熱分解メチル化法による有機物分析(リグニン類,脂肪酸類,ステロール類,フィトール,アルコール類など)を行い,古環境変動情報を得ることを目的とした。 カリフォルニア沖堆積物試料の解析を有機炭素量及びリグニン量の変動を中心にした結果のみ述べる。 全有機炭素量(TOC)は現在から次第に減少したが,1万-1万1000年前のヤンガードリヤス期に急激に減少し,1万2000年前から1万5000年前の最終氷期に増加する特徴を示した。リグニン量は現在からゆっくりとした減少が見られたが,約1万2000年以前の氷期には明確な増加が見られた。この結果は炭素同位体比が同じ時期から軽くなったことと調和的であった。1万2000年前から1万7000年前には北緯35度付近に河川システムが発達していたと推定されており,そのために陸上有機物の輸送量が高くなったことが示唆された。リグニンのシリンジル類/バニリル類の比(被子植物の寄与の大きさの指標)の変動から,1万6000年前から現在に向かって被子植物の寄与が次第に増加してきたことが明らかになった。このことは,周辺海域での花粉分析の結果と調和的であった。また,シンナミル類/パニリル類の比(草本類の寄与の大きさの指標)の変動も1万2000年前から1万7000年前で高い個を示した。これは氷期においては,ツンドラのような草本類が卓越するような植生であったことを示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吉川博康、山本修一、松本公平、石渡良志: "カリフォルニア沖推積物コア中の有機物組成の変動:TMAH メチル化法による解析" 有機地球化学第16回シンポジウム要旨集. 8 (1998)
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[Publications] 吉川博康、山本修一、松本公平、関 宰、石渡良志: "カリフォルニア堆積物(ODP Leg167.Site1017)中の隆起時有機物:熱分解メチル化法による解析.-2" 日本地球化学会年会 講演要旨集1998. 65 (1998)
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[Publications] 山本修一: "森北1号古墳の有機地球化学的手法による解析" 会津坂下町森北1号古墳(報告書). (印刷中). (1999)