1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640599
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
疋田 巧 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016144)
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Keywords | 超臨界流体 / 芳香族分子 / りん光 / 寿命 |
Research Abstract |
二酸化炭素超臨界流体中でピレン及びテトラセンの吸収スペクトル、発光スペクトル等の測定より、これら芳香族分子の分散状態について、以下のことが明らかになった。 1.ピレン (a)通常の条件下でのピレンと同様な振動構造を持った吸収スペクトルが観測された。その溶解度は約10^<-6>Mであった。 (b)ピレンモノマーの発光強度はほぼ吸光量に比例しているが、 (c)エキシマー蛍光と思われる500nmの発光の強度は吸光量に関係なくほぼ一定であった。 テトラセン (a)通常の条件下でのテトラセンと同様な振動構造を持った吸収スペクトルいるが観測された。その溶解度は約10^<-6>Mであったが、 (b)525nmにの2量体のものと思われるブロードな吸収帯が観測された。 3.2-クロロナフタレン (a)吸収スペクトルは通常の溶液とほぼ同じものが測定された。その溶解度は約10^<-5>Mである。 (b)300nmから400nmに強い蛍光が現われれ、その量子収率は約0.5であった。 (c)430nmから600nm付近に量子収率約10^<-4>の弱いりん光が観測された。 以上のように、10^<-5>Mという極く低濃度でもエキシマーや会合体が見られたり、りん光が比較的大きな量子収率で観測される等、二酸化炭素超臨界流体は溶質である芳香族分子を均一に溶解しておらず、局部的に高濃度の部位が分散した状態にあり、溶質分子と強く相互作用しているものと結論した。
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[Publications] H.Hattori: "Two-dimensional photoelectron spectroscopy of acetylene" Journal of Chemical Physics. 106(12). 4902-4911 (1997)
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[Publications] Y.Matsusita: "Photochemical reaction of excited acetophenone and benzalde hyde" Chemical Physics. 213(2). 413-419 (1996)