1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640610
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長岡 伸一 愛媛大学, 理学部, 助教授 (30164403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 敬士 愛媛大学, 理学部, 助手 (10284390)
向井 和男 愛媛大学, 理学部, 教授 (70036193)
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Keywords | 励起状態 / プロトン移動 / サリチルアルデヒド / ビタミンE / 節 / 置換基効果 / 分子内水素結合 / 抗酸化作用 |
Research Abstract |
プロトン移動は最も単純な化学反応であり、正確な測定と定量的理論解析に適している。研究代表者は既に、波動関数の節を考慮すれば励起状態でプロトン移動が起こるかどうかを予測できることを示唆した。本研究においては、励起状態において分子のどこに節が生じるか、我々の節の考えがプロトン移動における置換基効果、溶媒効果、励起状態依存性を説明できるかどうか、及び生体系におけるプロトン移動反応に適用できるかどうかを検討した。具体的には、サリチルアルデヒド誘導体では、置換基がプロトン移動に与える影響について研究した。また、ヒドロキシアンスリルベンゾチアゾール誘導体では、同じ官能基から構成される分子でも置換基の相対的な位置によってプロトン移動反応の性質が異なるが、さらにこうした効果を確認するためにヒドロキシテトリルベンゾチアゾール誘導体を合成中である。また、ビタミンEとキノン類が結合した分子を合成し、時間分解ESR、過渡吸収分光法、発光分光法を用いて、生体系において光照射によって生じる有害な活性分子をビタミンEがどのようにして消去していくかを検討した。以上のような研究は、微視的な電子の動きが結果として現れる反応にどのように影響するかを理解する上で興味深い。プロトン移動は、多くの研究者によって研究されているが、節の考えに基づいて波動関数の性質とプロトン移動反応を直接結びつけようとしているのは我々のグループのみである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S. Nagaoka: "Tunneling Effect in the Regeneration Reaction of Vitamin E by Ubiquinol" Chemical Physics Letters. 287. 70-74 (1998)
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[Publications] 長岡伸一: "ビタミンEの再生反応におけるトンネル効果" 日本結晶学会誌. 40. 119-123 (1998)
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[Publications] 長岡伸一: "ストップトフロー分光法,ビタミンE" 日本結晶学会誌. 40. 133-134 (1998)
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[Publications] 長岡伸一: "励起状態分子内プロトン移動における節面モデル" 光化学. 28. 39-44 (1998)
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[Publications] K. Mukai: "Stopped-Flow Kinetic Study of the Free-Radical-Scavenging Action of Catechin and Related Compounds in Homogeneous and Micellar Solutions" Phytochemicals and Phytopharmaceuticals. 印刷中
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[Publications] K. Ohara: "An FT-EPR Investigation of the Anomalous CIDEP Observed in Photoinduced Reactions of Xanthone with Alcohols in the Presence of Hydrochloric Acid" The Journal of Physical Chemistry A. 102. 5433-5439 (1998)