1998 Fiscal Year Annual Research Report
複数の電子受容色素を持つタンパク質の電子状態と電子移動反応の研究
Project/Area Number |
09640611
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文俊 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00235392)
岡本 正宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40211122)
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Keywords | タンパク質 / 密度汎関数法 / オブジェクト指向による並列化 / 全電子計算 / 非局所補正法 / タンパク質内電子トンネリング / シトクロムc |
Research Abstract |
本研究者らはタンパク質全体の電子状態を量子論的な方法に基づいて計算する手法を構築し、タンパク質の性質や反応性を電子レベルで理解することを目的に、大型分子や金属錯体の電子状態計算に有効な密度汎関数法に基づく分子軌道法プログラムを作成・発展させてきた。このプログラムを使用すれば、ワークステーションクラスタで数十残基、超並列コンピュータで数百残基のタンパク質の全電子計算が可能となった。平成10年度は小タンパク質の全電子計算の実行と、タンパク質内電子トンネリング機構を解析するシステムの作成を行った。主な成果を以下に示す。 1. ワークステーションクラスタによる独自の密度汎関数法プログラムの並列化を行った。10台以上のワークステーションとこれらを結ぶEithernetで構成されるクラスタで、80%以上の並列化効率が得られた。また計算機のアーキテクチャに特化したチューニングを施して、行列演算を一律10倍高速化した。 2. これを用いて数十残基の小タンパク質の全電子計算を行った。計算比率は73.7%が分子積分、7.1%が交換相関ポテンシャルフィッティング、19.2%が行列演算であった。これらの結果から100残基程度のタンパク質の全電子計算が無理のない時間で実行可能であることが示唆された。 3. 密度汎関数法の交換相関ポテンシャル非局所補正法(BLYP)を高速に計算するアルゴリズムを開発した。これにより計算時間を増加させることなく、一桁計算精度を向上させることに成功した。 4. Ruを導入したCyt.cの系でモデルポテンシャルを使用してタンパク質内電子移動経路をシミュレートした。用いたシミュレーション法はFeynmanの経路積分法である。このモデルポテンシャルでは3本の電子移動経路が観測された。
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[Publications] I.Okazaki,F.Sato,T.Yoshihiro,T.Ueno,and H.Kashiwagi: "Development of a Restricted Open Shell Kohn-Sham Program and its Application to a Model Heme Complex" THEOCHEM. 451. 109-119 (1998)
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[Publications] I.Okazaki,F.Sato,and H.Kashiwagi: "A Theoretical Evaluation of the Ionization Potentials for One-Electron Oxidized States of Cytochrome c" THEOCHEM. (in press). (1998)