1999 Fiscal Year Annual Research Report
複数の電子受容色素を持つタンパク質の電子状態と電子移動反応の研究
Project/Area Number |
09640611
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文俊 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00235392)
岡本 正宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40211122)
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Keywords | 密度汎関数法 / タンパク質 / 全電子計算 / 大規模計算 / 収束法 / BDS-I / 並列化 |
Research Abstract |
本研究者らはタンパク質全体の電子状態を量子論的な方法に基づいて計算する手法を構築し、タンパク質の性質や反応性を電子レベルで理解することを目的に、大型分子や金属錯体の電子状態計算に有効な密度汎関数法に基づく分子軌道法プログラムを作成・発展させてきた。このプログラムを使用すれば、ワークステーションクラスタで数十残基、超並列コンピュータで数百残基のタンパク質の全電子計算が可能となった。計算最終年である平成11年度は小タンパク質の全電子計算の実行と、タンパク質内電子トンネリング機構を解析するシステムの作成を行った。主な成果を以下に示す。 1.10台以上のワークステーションとこれらを結ぶEithermetで構成されるクラスタを再構築し、計算機のアーキテクチャに特化したチューニングを本並列版密度汎関数法プログラムに施した。特に行列演算は一律10倍高速化した。 2.小タンパク質の全電子計算が収束する技術を開発した。タンパク質を数残基毎のペプチド鎖断片に分解し計算を収束させ電子密度を求める。これを用いて更に大きなペプチド鎖の初期電子密度を作成し計算を収束させる。この過程を逐次的に行うことによって、穏やかに小タンパク質の全電子計算が達成されることがわかった。 3.これらを用いて43残基のタンパク質BDS-Iの全電子計算に成功した。これは世界初の密度汎関数法によるタンパク質全電子計算である。計算比率は74.8%が分子積分、6.7%が交換相関ポテンシャルフィッティング、18.5%が行列演算であった。これらの結果から100残基程度のタンパク質の全電子計算が無理のない時間で実行可能であることが示唆された。
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[Publications] F.Sato,T.Yoshihiro,I.Okazaki,H.Kashiwagi,: "An all-electron calculation of an antihypertensive protein with the Gaussian-based density functional method"Chem.Phys.Lett.. 310. 523-529 (1999)
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[Publications] F.Sato,T.Yoshihiro,I.Okazaki and H.Kashiwagi: "Recent Progress in Computational Methods of Electronic States in Proteins with Density Functional Method"Proc.of the 195th Meeting of the Elecrochem.Soc.. 99(1). 937-937 (1999)
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[Publications] I.Okazaki,F.Sato,and H.Kashiwagi: "A theoretical evaluation of the ionization potentials for one-electron oxidized states of cytochrome c"J,Mol.Struct.(Theochem). 461-462. 325-334 (1999)
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[Publications] Masahiro Okamoto et.al.: "Design of Canonical Model Describing Complex Nonlinear Dynaics"Computer Applications in Biotechnology 1998(CAB7),Pergamon. 85-90 (1998)