1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗シガトキシン抗体の調製およびシガトキシンの全合成研究
Project/Area Number |
09640621
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大石 徹 東北大学, 大学院理学研究科, 講師 (90241520)
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Keywords | シガトキシン / 抗シガトキシン抗体 / 全合成 / ポリエーテル / オレフィンメタセシス |
Research Abstract |
シガトキシン(1)は,魚介類による世界最大規模の食中毒シガテラの原因毒であり,中毒予防のための抗シガトキシン抗体の開発が急務である。天然から極微量しか得ることのできない(1)を化学合成によって供給する事を目的として研究を行った。前年度では,環拡大法および酵素による不斉化反応を利用した光学活性中員環エーテルの合成法を開発したが,大量合成を行う上でいくつかの問題点があることか明かとなった。そこで,この問題点を解決すべく検討を行った結果,アルドール反応とオレフィンメタセシス反応を利用した新規中員環エーテルの合成連結法を開発し,(1)のD(E)環部の短段階合成に成功した。更にこの方法と,立体選択的な共役付加および還元反応を利用し,(1)の8員環エーテルI環部の効率的合成に成功した。(1)の様な巨大分子を効率的に合成する上で効率的な各フラグメントの連結法の開発は重要な課題であり,前年度までに(1)アセタールの立体選択的還元開裂とオレフィンメタセシス反応を利用した連結法,(2)高井-野崎反応とメチルアセタールの立体選択的還元を利用した連結法,(3)立体選択的アルキル化反応とオレフィンメタセシス反応を利用した連結法を確立した。今年度は,新たにシリルリンカーと閉環メタセシス反応を利用した新規フラグメント連結法の開発に成功し,この方法を利用した(1)のDEF環部の合成をほぼ完了した。更に(3)の連結法を利用し,(1)のABCDE環部の立体選択的合成を達成した(投稿準備中)。また,光学活性LM環フラグメントおよび光学活性8員環エーテルI環部から,閉環メタセシス反応を利用し,(1)のIJKLM環部の立体選択的合成をほぼ完了した。
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[Publications] Tohru Oishi: "Convergent synthesis of the trans-fused 6-n-6-6 (n=7-10) tetracyclic ethersystem based on a ring-closing metathesis reaction" Chem.Commun.1041-1042 (1998)
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[Publications] Hiroki Oguri: "Designed hopten aimed at anti-ciguatoxin monoclonal antibody : Synthesis,Immunization and discrimination of the C2 configuration" Synthesis. in press. (1999)