1997 Fiscal Year Annual Research Report
環内部炭素に置換基をもつN-混乱ポルフィリン誘導体の合成
Project/Area Number |
09640642
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古田 弘幸 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40244157)
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Keywords | N-混乱ポルフィリン / ニトロ化 / 非線形光学材料 |
Research Abstract |
(a)N-混乱ポルフィリン-ニトロ置換誘導体(NCP-NO_2)の合成 フェニル基のパラ位(X)に電子吸引基(Cl,CF_3,NO_2)及び、電子供与基(CH_3,OCH_3,N(CH_3)_2)を導入することで、ニトロ基との間でのパイ電子のpush-pull作用を系統的に変化させることを目的に、各種ベンズアルデヒドとピロールとの酸触媒を用いた、環化縮合反応を行った.これにより、通常のN-混乱ポルフィリン大量に合成した。これらの化合物に対して硝酸ナトリウムと塩酸による、ニトロ化反応を試みたところ、メチル基などの、電子供与制のついた化合物の場合、50%を越える収率で、C-ニトロ化体を得ることができたが、電子吸引基の場合は低収率であった.NMR,MAS,FTIR,UV-Visなどの解析により、各置換体の構造を決定した. (b)N-混乱ポルフィリン-アミノ置換誘導体(NCP-NH_2)の合成 NCP-NO_2を塩化スズを用いて、還元してNCP-NH_2を得た.得られた化合物は酸素、可視光に対しては、比較的不安定であったが、プロトン化した状態では安定に保存できることがわかった.吸収スペクトルから、アミノ体は分子内水素結合をして、環平面を大きく歪ませていることが、示唆された. (C)N-混乱ポルフィリン-アゾ誘導体の合成。 通常のジアゾ化反応を試みた.分子量から判断して、生成物は目的物ではなく、ニトリル基が置換した化合物であったことから、内部にあるアミノ基が異常な反応性を持つことがあきらかとなった.
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