1999 Fiscal Year Annual Research Report
特異な光特性を有する有機磁性体ならびに有機導電体の開発研究
Project/Area Number |
09640644
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Research Institution | HIMEJI INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
中辻 慎一 姫路工業大学, 理学部, 教授 (90124833)
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Keywords | 光特性 / 磁性 / 導電性 / 安定ラジカル / TEMPOラジカル / フォトクロミズム / アントラセン / CT錯体 |
Research Abstract |
光機能性有機磁性体の開発を目的として、フォトクロミック特性を示すピロピラン/メロシアニン系、光原子価異性を示すノルボルナジエン/クワドリシクラン系および光二量化を示すアントラセン/アントラセンダイマーの各種の安定ラジカル置換誘導体を合成して、それらの光機能性や磁気的性質を検討してきた。本年度はこれらの内、アントラセン/アントラセンダイマー系を中心に研究を進め、TEMPOラジカルを導入した種々のアントラセン誘導体を合成し、光による二量化反応とそれらの磁性および構造に検討を加えた。合成したアントラセン誘導体およびそれらのダイマーの磁性は、磁気的相互作用の大きさは異なるもののそれらが保存される傾向にあったが、メチルアミノTEMPO置換アントラセンダイマーでは、結晶溶媒の違いによって磁気的性質が異なることが明らかとなり、X線結晶構造解析によりそれらの構造と磁性の関係について検討を加えた。 一方、新規な有機磁性導電体を開発する目的で、種々の安定ラジカル-アクセプター型錯体を合成してきたが、これらの内で一連のアルキルアミノTEMPO-テトラシアノアズレン錯体が、導電挙動は半導体的であるものの比較的高い導電性を有することを見出した。更に、光機能性を有する有機磁性導電体を開発する目的で種々の安定ラジカル置換ピリジニウム塩類の合成を行ない、それらの内から興味ある磁気的性質を示すものを見出したが、それらの光機能性や導電性について更に検討中である。
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[Publications] S.Nakatsuji et al.: "CT complexes bascelon TEMPO vadieals"Journal of Materials Chemistry. 9. 1747-1754 (1999)
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[Publications] S.Nakatsuji et al.: "Deoxygenation Reaction of Phenyl Nitronyl Nitroxides with the Strong Acceptors〜"Journal of Chemical Research(S). 620-621 (1999)
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[Publications] S.Nakatsuji et al.: "Preparation and Magnetic Properties of Novel CT complexes Depived from〜"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 334. 177-184 (1999)
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[Publications] S.Nakatsuji et al.: "Preparation and Properties of Biradicals and Related CT Complexes Based on〜"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 334. 205-210 (1999)
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[Publications] S.Nakatsuji et al.: "Preparation and Properties of Photo-Functional Systems with Nitroxide Radieals"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (印刷中).
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[Publications] S.Nakatsuji et al.: "Novel CT Complexes Derived from 4-Alkyl-amino-TEMPO and 2,4,6,8-Tetracyano azulane"MCLC Communications. (印刷中).