1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640651
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
大胡 恵明 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (10016115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 祥生 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (40202725)
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Keywords | 固相反応 / 不斉反応 / 異性化 / 光反応 / 不斉結晶格子 / 有機コバルト錯体 / 光学活性 |
Research Abstract |
先に、光学活性軸配位子を配位したβ-置換エチルコバロキシム錯体(β-位の置換基:シアノ基、メトキシカルボニル基域いはカルバモイル基)に固相で光照射すると(β→α)不斉光異性化反応が起こり、対応するα-置換エチルコバロキシム錯体が最高88%eeの不斉選択率で生成することを明らかにしている。そこで、基質の平面配位子、軸配位子、アルキル残基を変えた新しいアルキルコバロキシム錯体を合成するとともに、それらの固相光反応を検討し不斉選択性の高い、新規な固相不斉反応を開発することを目的として研究を行い、今年度は次に記述するような成果を得た。 先ず、(1)β-位の置換基として数種のN-置換カルバモイル基を有する錯体で同上の反応が起こることを見いだした。また、(2)各種のγ-シアノプロピルコバロキシム錯体を合成し、固相におけるそれらの光反応を検討した結果、β-置換錯体を経て一方的にα-置換錯体へ異性化することを明らかにした。更に、結晶格子をキラルにするためのキラルハンドルとして、光学活性アミン[(R)-2-aminobutanol(a),(S)-2-phenylalaniol(b),(R)-1-phenylethylamine(c),(R)-2-phenylglycinol(d),(S)-1-cyclohexylethyamine(e)など]をaxialに配位させたγ-置換プロピル錯体を合成し、それらの固相光反応を検討したところ、キラルな結晶格子に制御された固相不斉光異性化反応が起こり、光学活性α-シアノプロピルコバロキシム錯体が室温で最高71%ee、-70℃で最高91%eeの不斉選択率で生成することを明らかにした。反応速度は1段階目(γ→β)より2段階目(β→α)の方が大きい、また、不斉選択率も、eを配位した錯体以外は全て第1段階目よりは第2段階目の方が高いという興味ある結果が得られた。
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Research Products
(1 results)