1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640688
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松山 奉史 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50027463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00273532)
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Keywords | ポリ(メチルフェニルシラン) / ポリ(フェニルシリン) / ポリ(ジ-n-ヘキシルシラン) / 鎖状ポリマー / 分岐ポリマー / ヨウ素ドーピング / 電気伝導度 / 光吸収スペクトル |
Research Abstract |
合成したポリシランは、メチルフェニルシランとフェニルシリンの成分比m:nが1:O(1)、0.68:0.32(2)、0.44:0.56(3)、029:0.71(4)、0:1(5)のコポリマー、および、ポリ(ジ-n-へキシルシラン)(6)である.このうち1、6は鎖状ポリマー、2〜5は分岐ポリマー(分岐度は@@S11@@E1H-NMRで決定)である.これらをスピンコートして得た薄膜にヨウ素をドーブした場合の電気伝導度と光吸収スペクトルの測定を行い、ヨウ素ドープに伴う化学変化、構造変化について以下のような結果が得られた. 1. 放射化分析法を適用することにより、1、6には未反応Cl末端基が約0.2%含まれており、2〜5では分岐したネットワーク中に数%の未反応Cl基が含まれていることが明らかとなった. 2. ヨウ素ドープにより、1では分解反応と架橋反応が共に起こることが判明した.その結果、薄膜は40%ほど減少するが、残った膜成分は分岐ポリマーに変化している.この反応は2、3、4に含まれるポリ(メチルフェルシラン)の部分でも起こり、反応量は成分量mに比例している.また、5、6はヨウ素ドープに対して分解を示さず全く安定であるが、6ではコンホメーション変化が起きているようである. 3. ポリシランではσ共役の次元性が高くなると電気伝導度は増大すると期待される.それにもかかわらず、側鎖にフェニル基を含む1〜5においては最終的に到達した最高値はどれもほぼ10@@S1-5@@E1S/cmとなった.その原因として、分岐でできたネットワークが不均一構造をとっていることやネットワーク中に残存する未反応CI基が考えられる.即ち、これらの構造不完全性により糸中には不均一ポテンシャルが作られ、このホテンシャルにドーピングで生成したホールがトラップされるため、結局移動度の増大が実現できなかったと考えられる.
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