1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹原 公 九州大学, 理学部, 助教授 (20128044)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / 分子認識 / 水素結合 / 電気化学 |
Research Abstract |
側鎖にチオール基を有する環状分子の合成を行い,自己組織化法により電極表面に単分子膜修飾を行った。この修飾電極を用いて,電気化学的応答に及ぼす環状分子と溶存イオンの影響を見積もった。また,環状分子側鎖の水素結合能と修飾電極の電気化学的応答の相間を検討した。さらに,分子認識能の効率化を目指して,表面積の大きい金ナノ粒子への自己組織化単分子膜の修飾を試みた。具体的な研究内容を以下に示す。 ・環状サイズによる分子認識機能を持つaza-15-crowm-5分子の側鎖にalkanethiolを導入して自己組織化能を付与した。結合部位に,カルボニル酸素を持つ分子(15C5O)とカルボニル酸素を持たない分子(15C5H)の2種類を合成した。 ・15C5Oと15C5Hの修飾電極を用いて,溶存Fe(CN)_6^<3->の還元反応に及ぼす共存アルカリイオンの影響を測定した。15C5O電極では,Li^+やNa^+とK^+やRu^+の場合で電極応答に差が見られたが,15C5Hの場合には差が見られなかった。15C5Oではカルボニル酸素を介して隣接分子間との相互作用可能であるが,カルボニル酸素を持たない15C5Hではこのような効果は期待できない。これらの膜構造の違いがアルカリイオンの環内への取込みに影響していると推察できる。 ・単分子膜修飾金ナノ粒子の作成手法を確立させるために,carboxy-alkanethiol修飾金ナノ粒子の作成を試みた。この修飾金ナノ粒子は極性溶媒中でも安定に分散状態を保つことが確認できた。carboxyl基を介して官能基を導入することにより,分散状態で分子認識能を発現する金ナノ粒子の可能性が示された。
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