1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズコンパートメントを有する無機/界面活性剤複合体結晶の合成と機能
Project/Area Number |
09640693
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
早川 勝光 鹿児島大学, 理学部, 教授 (10041229)
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Keywords | 無機・有機複合体 / ナノサイズ分子集合体 / 吸着可溶化 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
柔らかい層状結晶を形成するカネマイトの層間イオンであるナトリウムを界面活性剤ミセル溶液中で交換して,数ナノメートルの均一孔に界面活性剤イオン集合体を充填した無機・有機複合体微結晶を合成した。炭化水素鎖長12,14,16のカチオン界面活性剤を交換するとそれぞれ3.4nm,3.8nm,4.2nmの孔径を有する結晶が得られたことがXRDの測定により明らかになった。この複合体に蛍光プローブであるピレンとプロフラビンを吸着可溶化して,励起ピレンからプロフラビンへのプローブ間エネルギー移動を測定した。これらのドナー・アクセプターペア共存系でピレンを励起するとプロフラビンの蛍光が観測され、プロフラビンの増加に伴ってピレンの蛍光強度が減少しプロフラビンの蛍光強度が増加した。ナノサイズ細孔中に吸着可溶化したこれらのドナー・アクセプターペア間で効率のよいエネルギー移動が起こることがわかった。観測されたデータを解析して,ドナー・アクセプターペアを収容する界面活性剤集合体のサイズを求めたところ200個以上の界面活性剤イオン集合体が形成されていることがわかった。この値は,ゼオライト・界面活性剤集合体など界面活性剤が表面吸着する系に比べて数倍大きなものであることがわかった。 一方,界面活性剤ミセルをテンプレートとして、ガラス基板上に数ナノメートルの間隔を有する層状結晶を合成することを試みている。テトラメトキシシランを界面活性剤ミセル共存下でゲル化すると界面活性剤層を挟んだ3nmの間隔を有する層状結晶が得られた。この層間の界面活性剤集合体に色素を可溶化吸着させてその蛍光スペクトルを測定した。
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