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1997 Fiscal Year Annual Research Report

定序配列・低エネルギーギャップ型高次ヘテロ環π共役オリゴマーの構築

Research Project

Project/Area Number 09640703
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionOkazaki National Research Institutes

Principal Investigator

田中 彰治  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)

Keywords分子素子 / 分子ワイヤー / 分子スイッチ / 多段階酸化還元系 / チオフェン / オリゴマー
Research Abstract

1.合成手法開発における成果:定序配列・低エネルギーギャップ型高次オリゴマーの新規合成法として、アミノ基部位を嵩高いアルキルシリル基で保護した3',4',3",4"-テトラアミノ-α-クォーターチオフェン(1)を合成ユニットとして用いる手法を確立した。これにより電子ドナー・アクセプターユニット、及び多段階酸化還元型非古典的チオフェンユニット等が定序配列した新規低エネルギーギャップ型チオフェン8-10量体(分子量1900-2300)の精密合成を行った。近年、急速に伸展しつつある単一分子鎖の伝導度(非磁性電子トンネリング効率)の計測のためには、鎖長5mm以上のオリゴマーが望ましいことから、現在12量体(鎖長:4.6nm)以上の単一電子・分子トランジスター(MOSES)のモデル系として、"4端子型"多段階酸化還元系を有する1,3,5,7-テトラチエニル-ジチエノ[3,4-b:3',4'-e]ピラジンを新たに合成した。
2.分子設計指針に関する成果:情報処理用の分子ワイヤーに必要な特性として、可溶性、π共役主鎖の剛直・共平面性、及び隣接ワイヤー間の絶縁性があげられる。今回得られた高次オリゴマーの物性・構造を検討した結果、構造ブロック(1)を有する分子の有効π共役長が、従来の可溶性オリゴチオフェン類と比較して高いことがわかった。その要因は、構造ブロック(1)では剛直で嵩高い置換基が環の側面に張り出した配置をとっており、立体障害により共平面配座の方が強制的に安定化されるためである。さらに、嵩高い置換基は隣接分子ワイヤー間の絶縁化にも有用と考えられる。即ち本件の知見は、立体障害の有効利用により、上の三要件の同時成立が可能であることを始めて示したものといえる。

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Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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