1997 Fiscal Year Annual Research Report
N-トシルイミニウム塩生成法の開発とホモアリルアミン合成への応用
Project/Area Number |
09640710
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
増山 芳郎 上智大学, 理工学部, 講師 (30138375)
|
Keywords | イミン-アリル化 / ホモアリルアミン / N-トシルイミニウム / アリルトリメチルシラン / 塩化スズ(II) / N-クロロコハク酸イミド / ジアステレオ選択性 / 位置選択性 |
Research Abstract |
筆者は、N-クロロコハク酸イミド(NCS)/塩化スズ(II)試剤を用い、アルデヒドとトシルアミドから、N-トシルイミニウム塩を生成し、さらに、系内でアリルトリメチルシランを付加させ、ホモアリルアミンを合成する新規イミン-アリル化法の開発を試み、以下のことを明らかにした。(1)トシルアミドとベンズアルデヒドの反応をモデルとして、N-ハロコハク酸イミド、ハロゲン化スズ(II)、溶媒、反応温度などを変えて、アリルトリメチルシランの付加反応を行った。NCS/塩化スズ(II)をジクロロメタン中、0℃でトシルアミドおよびベンズアルデヒドと反応させる方法が有効であった。特に、アリルトリメチルシランを2時間後に添加する方法では、6時間反応後に96%の単離収率でN-(1-フェニル-3-ブテニル)トシルアミドを生成することができた。脂肪族、脂環式、α,β-不飽和、電子供与基を持った芳香族、及び電子求引基を持った芳香族アルデヒドのどれを用いても、高収率でホモアリルアミンを合成することができた。収率は低いが、ケトンからもホモアリルアミンを得ることができた。また、ベンズアミド、t-ブチルカルバマート、ベンジルアミンでは上記アリル化は起こらなかった。(2)上記のイミン-アリル化法を、アリルトリメチルシランの代わりに2-ブテニルトリメチルシラン(E:Z=86:14)を用いるジアステレオ選択的ホモアリルアミン合成へ発展させた。種々のアルデヒドとの反応において、ほぼ100%のγ位置選択性で、しかも高いanti選択性(syn:anti=cal:9)で1-置換2-メチル-3-ブテニルアミンを生成することができた。
|