1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640711
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嶋津 克明 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助教授 (30109417)
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Keywords | 酸解離定数 / 水晶振動子マイクロバランス / 表面質量適定法 / セルフアセンブリ単分子層 / 電位効果 |
Research Abstract |
物質選択な界面を機能分子の修飾により構築するには、界面における修飾分子の物性を正しく評価することが重要である。本研究では、分子レベルで構造規制された界面における物性を種々の条件下で測定し、界面における物性の支配因子を明らかにすることを目的とした。本年度は、昨年度に引き続き機能中心に酸塩基を選択し、おもに水晶振動子マイクロバランスを用いた表面質量滴定法により検討を行った。 末端にカルポキシ基やアミノ基を有するアルカンチオールの単分子層をAu(111)電極上にセルフアセンプリ法で構築した。カルボキシ基の場合はカチオンとの会合が進行するためpHとともに質量が増加し、アミノ基では逆に会合していたアニオンが脱離するため質量が減少した。カルボキシ基とアミノ基をともに有するシステインでは低pHで質量が増加した後に高pHで減少し、表面質量滴定法が界面の物性に極めて敏感な物性評価法であることが確認できた。カルボキシ基の単一単分子層ではカルボキシ基密度を減少させるとpKaはバルクの値に向かって減少した。アルカンチオールとの複合単分子層ではカルボキシ基密度とともにpKaの増加が観測されたが、単一単分子層では適定カーブの解析からカルボキシ基の解離にともなうpKaのシフトはわずかであることがわかった。これらから、pKaは界面の構造に強く依存し、隣接カルボキシ基間の相互作用(静電的な反発と水素結合)の寄与が明らかになった。また、末端がカルボキシ基のチオール単分子層で修飾した電極に負の電位を付与したところpKaが減少した。pKaのシフトの大きさは電位と鎖長に依存した。これらのことは界面における酸塩基特性の外部制御が可能であることを示している。また、関連研究として修飾電極における物質移動の検討も行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Yao: "Clay-Modified electrodes as studied by the quartz crystal microbalance : Redox of ruthenium complexes." J.Electroanal.Chem.443. 253-261 (1998)
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[Publications] K.Yao: "Mass Transport on an Anionic Clay-Modified Electrode as Studied by Quartz Crystal Microbalance" J.Electroanal.Chem.457. 119-128 (1998)
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[Publications] Katsuaki Shimazu: "Surface Mass Titrations of Self-Assembled Monolayers of ω-Mercaptoalkanoic Acids on Gold" Chem.Letters. 1998. 669-670 (1998)