1997 Fiscal Year Annual Research Report
非線形化学反応の微小重力場における振動挙動追跡の高精度化
Project/Area Number |
09640718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
藤枝 修子 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70017200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 文明 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20011702)
富田 功 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (60015518)
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Keywords | 化学振動反応 / ベロ-ゾフ-ザボチンスキー反応 / 微小重力場 / 無重力場 / 非線形反応 / 複雑系科学 / 可視化情報 / 反応拡散系化学波 |
Research Abstract |
非平衡過程で進行する非線形化学反応として化学振動反応が一般的であり、本研究では典型的なBelousov-Zhabotinsky反応を用いた。化学反応を可視化するための反応溶液として、一般には硫酸酸性下の臭素酸塩、マロン酸、触媒のフェロインで構成するが、反応の進行とともに、マロン酸が分解して二酸化炭素を生成し、反応拡散系の化学波を破壊する難点がある。地上実験により1,4-シクロヘキサンジオン(CHD)を用いる実験条件を検討した。微小重力実験(落下実験)を北海道空知郡上砂川町の地下無重力実験センターにおいて行った。10^<-5>gを約10秒間維持する間に化学波の変化を画像データとして取得する手法は、基本的には従来の方式を踏襲したが、反応を水溶液系と水ガラスによるゲル系の両面から測定した。さらに、本研究による大きな改善点として、従来は微小重力実験において装置のインテグレーション中に反応溶液を調製し、反応容器に導入し、化学波の生成を待って落下にそなえていたが、CHDの使用により化学波の寿命が長くなり、その結果、実験装置を単純化することに成功した。そして、実験データの数が増やせる見込みが得られた。ガラス管、テフロンの細い溝を用いた擬1次元系反応容器により水溶液系とゲル系媒体中の化学波の伝播速度を比較すると、予想通りにゲル系では微小重力場と地上重力場の違いがみられず、水溶液系では微小重力場で80%程度に減少する結果が得られた。これらは、対流による物質移動が微小重力場ではほとんどなくなり、反応拡散による輸送速度が得られたものと解釈できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Fujieda, Y.Mogami, A.Furuya, W.Zhang et al.: "Effect of Microgravity on the Spatial Oscillation Behavior of Belousov-Zhabotinsky Reactions Catalyzed by Ferroin" J.Phys.Chem.A. 101, No.43. 7926-7928 (1997)
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[Publications] M.Murao, F.Shibata: "Quantum Dynamics of a Strongly Caupled Dissipative System Toward Thermal Equilibrium II" Physica A. 238. 265-278 (1997)
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[Publications] S.Fujieda, H.Ogata: "Calorimetry and potentiometry of chemical oscillation in Briggs-Rauscher reactions with simultaneous measurements of the produced oxygen-volume" Talanta. 43. 1989-1995 (1996)
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[Publications] S.Fujieda, Y.Mogami, W.Zhang, T.Araiso: "Experimental System Assembled for Studying the Chemical Oscillation Behavior of Belousov-Zhabotinsky Reactions in the Microgravity" Anal.Sci.12. 815-818 (1996)
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[Publications] I.Tomita, A.Enomoto, Y.Hasegawa, Y.Watanabe: "Intercalation of porphyrin (TMPyP) and copper-porphyrin into γ-zirconium phosphate" J.Incl.Phenom.23. 213-221 (1996)
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[Publications] C.Uchiyama, F.Shibata: "A Systematic Projection Operator Formaism in Non-Equilibrium Statistical Mechanics" J.Phys.Soc.Jpn.65,No.4. 887 (1996)